PGT-Aと従来型の胚の選別はどちらが優れているか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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PGT-Aで胚を選ぶのと従来型の胚の形態評価はどちらが優れているかに関しての論文が12月のFertility and Sterilityにありましたので紹介します。

アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアからの共同研究です。

この論文の目的としては次世代シークエンスを用いたPGT-Aにより凍結胚の選別は可能かどうかを調べています。

25歳から40歳までの患者で胚盤胞2個以上を調べている方を対象にしています。

凍結胚盤胞を移植して妊娠20週での継続妊娠率で評価しています。

661名が(平均年齢 33.7歳)はPGT-A(330名)か従来型の形態を観察(331名)を用いての胚の評価を受けていています。

両群間において妊娠率は差が出ませんでした。(50% [137/274] vs. 46% [143/313])(P=0.3177)

ただし35歳から40歳に限定した場合移植あたりの継続妊娠率は(51% [62/122] vs. 37% [54/145])となり有意差(P=.0349)が出ています。

 

結論

PGT-Aにより全ての女性においては妊娠率を上げることはありませんでしたが、年齢が35から40歳の場合にはPGT-Aをした方が有意に妊娠率が上がりました。

 

 2019 Dec;112(6):1071-1079.e7.

Preimplantation genetic testing for aneuploidy versus morphology as selection criteria for single frozen-thawed embryo transfer in good-prognosis patients: a multicenter randomized clinical trial