3回以上不成功の場合にはスクラッチは有効 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。


子宮内膜のスクラッチは有効でかどうか、議論が多くあります。この論文では過去に3回以上不成功の場合にはスクラッチは効果があるのではと結論しています。

刺激前の高温期にスクラッチをすることで妊娠率が上がるかどうかを調べています。

 

コントロール群と比較してスクラッチ群では特に有意な差は認めませんでした。(38.5% vs. 44.4%; relative risk 1⁄4 1.15; confidence interval [0.86–1.55]).

 

ただし3回以上の着床障害群のサブグループ群においては妊娠率が有意に高くなりました。

 (31.1% vs. 53.6%; relative risk 1⁄4 1.72; con- fidence interval [1.05–2.83]) 

特に生まれた児に対しての差は認められませんでした。

 

結論

3回以上の着床障害がある場合、刺激前の高温期に子宮内膜のスクラッチングをする事は妊娠率が有意に高くなるとしています。

 

Fertil Steril. 2019 Dec;112(6):1015-1021.

Therapeutic endometrial scratching and implantation after in vitro fertilization: a multicenter randomized controlled trial