化学流産について | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

化学流産について


化学流産とは「着床したもののごく初期の段階で流産してしまう事」を言います。


妊娠反応のみ陽性になり、エコーで胎嚢が確認される前に(妊娠5週以前)流産になってしまう状態です。妊娠反応はhCGが30とか50位まで上がります。


少しいつもより生理が遅く量も多い時に、実は化学流産であった、そういう事もあります。妊娠検査を行わない限り気がつかない事がほとんどです。


化学流産での妊娠は臨床的な妊娠にはカウントしません。

臨床的な妊娠とはあくまでエコーで胎嚢が見えた後の事をさします。


症状は特別にはなく、いつもよりも少し生理の量が多いとか、生理が来るのが少し遅かった、と言う程度で、一般的な流産とは全く異なります。


化学流産の原因は流産と同様に胎児の染色体異常です。


化学流産の治療は特に必要とはしません。次の妊娠を希望される場合は特に間をあける必要はありません。


化学流産は体外受精で起こる事が多いです。