成長ホルモンについて
体外受精と成長ホルモンの関係について
成長ホルモンは肝臓のIGF産生促進により、卵胞の発育を促すと言われています。卵巣に成長ホルモンのレセプターがある事も確認されています。つまり卵巣に直接、またはIGFを介しての促進作用が考えられるため臨床応用されてきています。
2009年の論文で、卵巣刺激を行っても採卵数が少ない「低反応群」に対して、成長ホルモンを使用しながら卵巣刺激を行ったところ、妊娠率、出産率が有意に上昇したという報告がありました。
卵巣刺激中に成長ホルモン12~24IUを用いています。
必要な排卵誘発剤の注射の量は有意に減少して、採卵数は有意に増加し、良好胚も有意に増加したと報告されています。
ただ、まだ症例数が不足しており、今後更なる検討が必要とコメントしています。
Addition of growth hormone to gonadotrophins in ovarian stimulation of poor responders treated by in-vitro fertilization: a systematic review and meta-analysis Hum. Reprod. Update (2009) 15(6): 613-622 first published online June 26, 2009 doi:10.1093/humupd/dmp026