妊孕性保持のための精子凍結保存  | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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妊孕性保持のための精子の凍結保存について


精子凍結の歴史は古く1950年ころから行われています。

精子は凍結保存しておく事ができます。


精巣腫瘍、白血病、悪性リンパ腫等の悪性腫瘍のため、今後抗がん剤の治療を予定している場合、その治療の前に精子の凍結保存をお勧めします。

なぜなら抗がん剤治療により精子の状態が極めて悪くなる事が予測されるからです。最悪無精子症になります。


現在未婚であってももちろん可能です。

また思春期の子供でも射精が出来れば可能です。

一度凍結保存をすれば半永久的に質を保ちながら保存する事が出来ます。


数年後に悪性腫瘍等の治療が完治し、妊娠を希望する時に再度来院し、精子を溶かして、それを用いて妊娠する事が可能になります。

その際には凍結精子の濃度や運動率に応じて、人工授精、体外受精、顕微授精になります。

そのため出来れば複数回の凍結をお勧めします。


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