シアターコクーンで
2014/7/7~8/3まで上演された、『太陽2068』。
前川知大さん作、蜷川幸雄さん演出。
昼と夜に分かれてしまった未来 -----------------------
そんな副題が書かれていましたが、
二つに分けられた世界の「対立」や「羨望」や「失望」などが
複合的に描かれた、非常に考えさせられることの多い作品だったなぁと思います。
幸運にも、4回、観ることができました。
初日、中盤2日、楽日、と・・・
どれも、視点の異なった席での観劇ができ、毎回異なった発見がありました。
------ ちょっと長くなるかと思いますがお付き合いくださいませm(__)m -------
初日は、観た中で舞台から一番近い、1Fバルコニー最端。
近いけれど横に角度があるため、舞台端が見切れる部分も多々ありました。
ただ・・・ナリをはじめ、演者さんの表情がよく見え・・・
初日だったこともあり、みなさん、少し表情が硬いように感じました。
そして私も緊張しており(笑)
作品を堪能するというよりも、ナリを追いながらストーリーを追い・・・みたいな感じで
私のほうが余裕がない感じでした(;´Д`)ww
中盤の二日間は、2階の後方 と コクーンシート(2階のバルコニー)から。
遠くて観にくいかな、と思ったけれど、
いやいや2階後方なんて、舞台全体が見渡せて、
初日観れなかった部分がしっかり視界に入りまして。
だからなのか、お話自体も より頭に入ってきて。
舞台演出(ライティングや舞台セット)などにも意識して観ることができました。
あ、コクーンシートは・・・めっちゃ疲れました(笑)
縦にも横にも角度が付いた状態の席ですので
舞台寄りのお隣さんが前に乗り出すと、舞台上の視界がほとんど遮られましてw
それをかいくぐって観ようとして、へんてこりんな姿勢を強いられます。
かなり体力が奪われました(笑)
・・・ですが。
カテコでは、たくさんの演者さんが見渡してくださり・・・
疲労も一気に吹き飛んだ感じでした(笑)
そして、楽日。
1F後方でしたが、今までの席とは左右逆の、視界の異なる感じで新鮮でした。
1F後方の機材室?の真横で、なんと蜷川さんご本人も最後列に座っていらっしゃいました。
途中途中、大きな声で笑ったりして、作品を楽しんでいらした様子に
なんだかうれしくなっちゃいましたw
そして何より・・・・・・・・
さすが楽日です、演者さんみなさんが素晴らしく・・・
より感情の表現が強くなったセリフに 心が震えました。
人生で初めて、その感情の震えで 涙が出ました。
『歓迎するよ』
ナリのセリフの一部です。
納得できず不本意ながらも相手を想い無理にそう発する場面があるのだけれど
初日と楽日のそれとが、全く違う表現だったことにびっくり&納得&鳥肌が立つ程でした。
本当に、ただただ演者さんに感情を揺さぶられた感じでした。
ナリだけではなく、六平さん・大石さん・横田さん・中嶋さん・前田さん・綾野さん・・・
ほんとうにほんとうに 素晴らしい千秋楽でした。
東京公演で終わってしまうのが 非常に残念です。
前川さんが2011年に書かれた作品ですが
その時だけのテーマでなく、これからも というか
これからのほうがより重たく感じられる内容なのかなとも思います。
楽して理想を手に入れたことに対しての代償。
理想へのあこがれは強いのに、踏み込んでいけない自己の弱さ。
それらを乗り越えていこうとする姿の美しさ。
いやーーー、本当に素晴らしかったと思います。
なにより、ラストの演出ったら!
マチネとソワレが違ったものになってて!!
これもまた面白かった★
この作品で、一番印象に残っていること。
パンフレットに載ってた、
『ノクス(夜の人間) と キュリオ(昼の人間)、選ぶなら?』
という質問。
綾野くんが演じるキュリオは昼型(感情型)、反して ナリ演じるノクスは夜型(理性型)。
綾野君は
『両方ほしい』、と。
”理性も 感情も 大事だから” と。
そしてナリは
『どちらでも』、と。
”どちらの立場になったとしても、その運命は受け入れつつ、
自分にないものに憧れを抱くと思う” と。
・・・・なんだか、舞台上の配役、「鉄彦」と「森重」そのもので。
だからなのか
舞台の上のナリが、配役の「森重」なのか、ナリ本人なのか、
どちらかわからなくなるようなときが あったな。
そして私は、ナリの
”運命(いま)を受け入れ、そのうえで憧れに向かって手にいれたいと懸命に手を伸ばす”
そんな強さが 最高に大好きです。
ナリが素敵な作品&最高の仲間と出会えて、作品を一緒に作っていけたことに感謝します。
やっぱり、舞台はいいね(*´ω`*)
映画が一番好きだったけど。。。
この作品を機に、私もなにか少し変わっていくのでは?と期待したりしています♪