そろそろいっちーの正体だしなさいよ~
ってせっつかれておりますので、本日ご開帳でございます。
「父さん!ただいま!」
「息子よ~。よく帰ってきたな~!」
泣いて出迎えてくれる父さん。
いっちーいつになくキチンとした格好。
お屋敷は怪しいけれど…立派よね。
そうよ。いっちーったら良家のご子息よ。
「父さん!実は話があるんだ!」
「そうかそうか。こっちも話がるぞ。」
「え? じゃあ、そっちからどうぞ。」
「いいのか?セシル!セシルはいるか?」
「はい。旦那様」
現れたのはメイドのセシルちゃん。
「まあ、旦那様。いっちー様がお帰りになってそんなに嬉しいのですね。まずは、涙をお拭きになってください。」
ティッシュでふきふき、セシルちゃんは気が利くメイドさん。
「やあ。セシル!元気だったかい?」
「はい。いっちー様、お帰りなさいませ。」
いっちーとは幼馴染だ。
「おお。ありがとうセシル。どころで例の方はきてるのかい?」
「いいえ。まだご到着ではありません。」
「そうか。きたらすぐにお通ししなさい。」
「かしこまりました。ところでちょっとお時間よろしいですか?」
「なんだね?」
「本日のお夕食ですが…日本から特別にシェフを呼びました。」
「おお。今日は日本食か~。」
「はい。一度お目通りをとおもいまして。」
「わかった会おう。」
数分後、セシルちゃん板前さんとご登場。
「紹介しますわ。日本から着ましたあっくんです。」
「あっくんでシュ。小腹すいてまシュか?おむすびを作ってきましたでシュ。」
しかし…2豚とも手がふさがっているので器用に鼻でトスしながらの登場。
(ブーシュ界では当たり前なので気にしないでください。)
「後でこの日本酒をおだししますね。」
「こっちのデザートも今作成中でシュ」
「はは…楽しみにしているよ。」
父さん微笑む。
いっちーは?
「あっくん!!」
「あれ?いっちーでシュか?」
「え?2豚は知り合いかい?」
「ええ。ちょっと…」
「いっちー!きれいな服を…ここのご子息さんでシュか?」
「う・うん…このことはまだ内密に…」
「う・うん…このことはまだ内密に…」
「そうでシュか。わかりましたでシュ。」
「ありがとう。」
「しかし。いいとこの坊ちゃんでしたでシュか~」
「あっくん。おっちゃんさんのところを離れていいの?」
「心配でシュ…」
「仲良しだものね。早く戻ってあげないとね。夕食楽しみにしているよ。ありがとう。」
あっくんを見送るいっちー。
そこへ、セシルちゃんが
「お見えになりました。」
ある美Booをつれて入ってきた。
「おお。アテナさん。いらっしゃい。」
父さんはご機嫌だ。
「ごきげんよう。あらいっちー!!そんな格好して、こんなところで何をしているの?」
「やあ、君こそなんで……」
いっちーとアテナさん握手を交わす。
「何?お前達も知り合いか?世間は狭いな~。いや~話が早い。並んで見てもお似合いじゃないか~。」
父さん、なんだか目頭が熱くなってます。
「父さん?どういうことですか?」
「えっ?父さん????」
アテナさんびっくり!!
「いっちー今なんて?わたくし、イベリコ伯爵に息子さんを紹介するって呼ばれてきましたの。」
「え??」
「まさか!あなただったの?」
そう。いっちーの正体とは!
「これが、由緒正しきイベリコ伯爵家の長男。
イチリアーノ・フォン・イベリコ
通称イベリコ一番の”いっちー”わが息子だよ!」
「おい!イチリアーノ!どういうことだ!」
仲良い家族写真?
「ええええ~~~~???」
いっちー由緒正しき豚だった!
アテナさんは呆れ顔。
「伯爵。このお話無かったことにしてくださる!」
「アテナさんなんでだね。」
「だって、いっちーには既に…」
「既になんだ?」
とりあえず、父さんをさえぎりアテナさんと話す。
「アテナさん。わざわざ嵐の中、来て貰ってごめんよ。」
「そうよ!いっちー早くお父様に紹介なさい! まったく…。あんなことや、こんなことをしていたいっちーが… わたくし、これで帰らせていただくわ! 馬車?いらないわ。ペガサスで帰るから!」
「ああ…相変わらずすごい人だ。クオンによろしく…父さんにはこれから話すよ。ありがとう。」
こうして、アテナさんは帰っていった。
父さんご立腹。
「おい!イチリアーノ!どういうことだ!」
「父さん実は・・・この写真を見て欲しい」
仲良い家族写真?
『かわいい未緒ちゃんと息子ハレー』
さあ父さん…どうでる?
(続く)
お待たせしました。
一部の方には、早く正体をだせ~といわれておりましたが、
これでよろしいでしょうか?
ちなみにいっちーの母さんは、いっちーを産んで直に…
だからまめが預かって育てたのよ。
いっちーの”い”はイベリコの”い”です。
世間も知らないとね~これからは大変だからって。
伯爵がなんでもやらせていいって言うから~ほんとに何でもやらせてたの。
立派になったでしょ。
まだまだ未熟だけど…