民主党「考えよう日本を」の詭弁をわかりやすく説明します
[前記事]で詭弁を指摘した民主党の選挙用動画「考えよう、日本を。 ―データが語る、この国のすがた ―」ですが、あまりにも国民をバカにした内容に強い憤りを感じる次第です。ここでもう一度「格差」のトピックに限定して、その詭弁ぶりをわかりやすく説明したいと思います。
まず、民主党の主張は次の通りです。
年収1000万円超の人は増えています。
2012年 172万人
2013年 186万人
+14万人
年収200万円以下の人も増えています。
2012年 1090万人
2013年 1120万人
+30万人
出典:国税庁「民間給与実態統計調査」
この説明を何も疑わずに受けた善意ある国民は、
「アベノミクスによって大金持ちは増えているけれど、
貧乏な国民がそれ以上に増え、格差が増えている」
と考えると思います。
ところが、この文書は、
国民をまんまと騙して自論に導くとんでもない詭弁を含んでいます。
この文書が詭弁であることを
民主党が根拠として用いているデータである
国税庁「民間給与実態統計調査」の結果を用いて
以下に立証したいと思います。
国税庁「民間給与実態統計調査」の結果は、
国税庁のウェブサイトからダウンロードすることができます。
[民間給与の実態調査結果(全データ)(平成26年11月14日更新)]
民主党が提示したデータは、この資料のP20の第16表を基にしています。
この表から
年収1000万円超の人は増えています。
2012年 172万人
2013年 186万人
+14万人
年収200万円以下の人も増えています。
2012年 1090万人
2013年 1120万人
+30万人
という数字を導いたわけです。
ただ、「本当に年収200万円以下の人」は上記のような数字ではありません。
それは国税局のデータには給与所得者の人の数しか
記載されていないからです。
つまり、日本の人口が
2012年(平成24年10月1日)が1億2751万5000人、
2012年(平成24年10月1日)が1億2729万8000人
であるにもかかわらず、国税庁のデータでは、
所得税を納入している給与所得者のデータのみが記載されていて
(2012年:4555万6000人、2013年:4645万4000人)、
給与所得なしの人のデータは記載されていません
(2012年:8084万3000人、2013年:8196万人)。
このことから何が言えるかと言えば、
実際には、年収200万円以下の人は
2012年で9286万2000人、2013年で9204万人いるということです。
そしてこの場合、下の図に示すように、
給与所得なしの人は112万人も減っていると同時に、
年収200万円以下の人は、30万人増えているのではなく
81万8000人減っていると言えます。
このように、民主党は、
所得税を納入することを免除された国民が欠如している
国税庁のデータを用いて、あたかも年収200万円以下の人が
アベノミクスによって増えているかのように印象づけ、
「格差が広がっている」と主張しているわけです。
これは善良な国民を騙す極めて悪質な詭弁であると言えます。
このような詭弁によって、国民の公正な判断が影響を受けたとしたら
極めて大きな問題であると言えます。
もしも民主党に少しでも良心が残っているのであれば、
即刻この主張を撤回し、
誤解を与えた国民に謝罪すべきであると考えます。
最後にもう一度、民主党の詭弁を1枚の画像で纏めておきたいと思います。
民主党の詭弁に騙される善良な国民が一人でも少なくなることを
心から祈る次第です。
それにしても、
このような明らかなウソが、
マスメディアによって指摘されることもなく、
堂々とまかりとおっていることが恐ろしくてなりません。
もしかしたら、
マスメディアによる特定秘密保護かもしれません。