東福寺霊雲院の九山八海の庭
(どの写真もクリックすると拡大します)
東福寺に霊雲院という塔頭寺院があります。
この寺院の書院の南庭、九山八海の庭は、何とも素敵な枯山水です。
冬はやっぱり枯山水ですね~。
なにしろ、めちゃくちゃすいてて、
まるでプライベート枯山水のように鑑賞することができますよ~(笑)。
さて、
この庭、江戸時代に作られてしばらく荒廃していたようです。
それを昭和のグレートな造園家の重森三玲氏が復元したようです。
遺愛石(いあいせき)と呼ばれる素敵な名石を須弥山という山に見たて、
そのまわりを八つの山と八つの海が取り囲む様子を表現しています。
これで合計すると九山八海です。七転八起みたいですね(笑)。
遺愛石はとっても味のある石です。見たところ、片岩でしょうか・・・
未知との遭遇のデビルス・タワーみたいな感じもします(笑)。
この庭、観る位置を変えればまた違った雰囲気を見せてくれます。
そして、この書院の東にも素敵な庭があります。
この庭は、同じく重森三玲氏作の臥雲の庭です。
石の形や砂の色・模様に重村氏の作風がよくあらわれています。
それと、この庭は、観るとすぐにわかりますが、
高い山から流れ落ちたしずくがやがて大海になる生々流転を表しています。
ちなみに生々流転というのは、
すべてのものは生死を繰り返しながら変わっていくということを表しています。
庭の一番奥は、↓こんなふうになっています。
奥の2つの岩と岩の隙間で滝を表してるはずです。
そして、その流れがだんだん広くなって…
最終的に九山八海の庭に流れ込みます。
私が思うにこんなストーリーだと思います。
起承転結のはっきりした、好きなタイプの枯山水です。
♪今日聴いた一枚♪
この枯山水を鑑賞しながらずっと聴いていました。
まさに生々流転を感じてしまうような究極の作品です。