ブッシュ靴事件の4秒を検証 | 西陣に住んでます

ブッシュ靴事件の4秒を検証

たまには硬派の記事を書かせていただきます(笑)。



2008年12月14日、イラクバグダッドでのブッシュ大統領の記者会見中に

その場にいたイラク人テレビジャーナリストが大統領に靴を投げました。


異変が起きてからジャーナリストが取り押さえられるまでの4秒間、

youtube動画を基に先入観なしに事実のみを検証してみました。


まずはこちらのyoutube動画を見ていただくとよろしいかもしれません。

[Man Throws Shoes At Bush]



登場人物


ジョージ・ブッシュ
アメリカ合衆国大統領。元メジャーリーグ球団オーナー。

ムンタダル・アル=ゼイディ
イラク人テレビジャーナリスト。3列目に座っている。

ムンタゼル、ムンタザル、ムンタデル、ムンタダールともいわれる。

また、ゼイディはザイディともいわれる。

カメラマンA
現場で動画を撮影している。

カメラマンB
現場で写真を撮影している。

SP
ブッシュ大統領のSP。どこにいるかわからない。

ヌーリ・マリキ
イラク首相。ブッシュ大統領の横にいてスーパーマリオに似ている。



このような、登場人物の中、

まずムンタダル氏が何らかの行動を起こし、カメラマンAがまず反応します。

以下、検証を行った動画が1秒間に25コマの画像なので、

カメラマンAが反応した時刻を0秒として、0.04秒の解像度で

コマごとに検証していきたいと思います。



0秒
カメラマンA:ムンタダルの怪しい動きに反応してズームインを開始する
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


0.44秒
カメラマンB:写真を撮る(ちょっと明るいでしょ。)
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


0.88秒
ムンタダル:投靴モーションのテイクバックが完了する
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


1.04秒
ムンタダル:手から靴が離れる
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


1.08秒
ブッシュ:よけ始める
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


1.12秒
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件

1.16秒
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件

1.20秒
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


1.24秒

靴がブッシュの頭を通過する
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


1.44秒
ブッシュ:よけ量最大
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


1.48秒
ブッシュ:浮上開始
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


2.00秒
ブッシュ:何もなかったかのように元に戻る

カメラマンA:ズームアウトを開始する
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


2.40秒
ムンタダル:もう片方の靴を脱いで手に持つ
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


2.56秒
SPがムンタダルの後ろに登場
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


2.72秒
SPがムンタダルのズボンのベルトをつかむ
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


2.84秒
ムンタダル:テイクバック完了
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


3.00秒
ムンタダル:手から靴が離れる
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


3.20秒
2足目の靴がブッシュの頭を通過する

ヌーリ首相、ムンタダルとは全く違う方向を指さす
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件


4.00秒
SPが完全にムンタダルを倒して拘束する
西陣に住んでます-ブッシュ靴事件




以上が4秒間に起きたことですが、

ここで、各氏の行動を検証したいと思います。


ムンタダル氏
いつ席を立ったのかはわかりませんが、
行動を遂行するのを見破られるのを恐れ、
おそらくカメラマンAが反応した直前に初動したと思われます。
そしてカメラマンAに不審な行動を見破られてから
わずか1秒後に1個目の靴を投げてます。
しかもブッシュが大統領がよけなければ完全にあたっていました。
さらに1投目の失敗を確認した後、わずか1.2秒でもう片方の靴を脱ぎ、
SPにズボンのベルトをつかまれながらも
0.6秒後にはクイックモーションで靴を投げてます。


ブッシュ大統領
ムンタダル氏が何かを投げてくるとわかったのは、
おそらくムンタダル氏の投球モーションのテイクバックが
最大となった時でしょう。
それからわずか0.4秒後、頭に靴がやってくるのですが、

それを見事によけてます。
もっと詳しく見ると、ムンタダル氏の手から靴が離れたのち、
わずか0.04秒後には反応して逃げ始め、
ムンダタル氏の手から離れて0.2秒後に頭を通過した靴をよけました。
162キロのスピードボールを投げるプロ野球のピッチャーが投げた場合に、
ボールが手から離れて通過するまでが0.4秒少々
(18.44m×3600秒/162000m=0.410秒)ですので
ブッシュ大統領は、プロ野球一のピッチャーが半分の距離から投げる
豪速球をよけたのと同じことになります。
なお、それから0.2秒間だけ逃げ続けましたが、
その約0.5秒後には元の姿勢に戻りました。
この間、わずか1秒少々の出来事です。
なお、2投目はSPのおかげで狙いが外れました。


カメラマンA
ムンタダル氏の行動を素早く察知して
ズームインを開始したものと思われます。
あるいはムンタダル氏が立って邪魔だったから
画像から外すためにズームインのかわかりません。
ただ、すごいプロ根性です。
ブッシュ大統領が1投目をよけて元に戻ってから
ズームアウトを開始して何が起きているかを撮影しようとしました。


カメラマンB
たまたま写真を撮ったのかもしれませんが、
ムンタダル氏がなんかしらの行動をとって
わずか0.5秒後に写真を撮っています。
この写真が見たいところです。どこかにあるはずですね。


SP
異変があってから3秒以内にムンタダル氏にアタック、
4秒後には制圧しています。
なお、なぜ靴を投げるのを抑えられなかったかと

マスコミに批判されていますが、
彼らに要求されているのは大統領の生命を守ることで、けっして
靴がぶつけられるのを阻止することが仕事ではないと思います(笑)。


ヌーリ・マリキ首相
何が起きたかあまりわかっていないようです。

唯一のほのぼのキャラです(笑)。




ということで、このわずか4秒間の間の攻防は

ホントに究極の人間ドラマがあったと思われます。


事件のバックグラウンドを議論するつもりはありません。


ただただ、

いざというときの人間の行動の反応の素晴らしさを

十分に見せてもらった感じがします。