一瞬で読める源氏物語No.53 手習 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.53 手習

源氏物語


No.53 手習(てならい)  薫27歳-28歳夏の物語


比叡山横川の寺の僧である僧都(そうず)の一行が宇治の森で倒れている若い女性を発見しました。僧都の妹である妹尼(いもうとのあま)はその女性を亡くなった自分の娘の生まれ変わりと思い、懸命に介抱して比叡山麓の小野の自宅まで連れて帰りました。加持祈祷によってモノノケが体から去っていくと女性は元気になりました。そしてこの女性こそ、なんとあの浮舟でした。自殺未遂を犯した浮舟は、素性を明かさずに出家を希望しますが、思いとどまるよう言われます。そんな中、浮舟は妹尼の亡くなった娘の婿である中将(ちゅうじょう)から猛アタックを受けますが、出家願望がますます強くなり、妹尼が外出したスキに髪を剃って出家してしまいました。自殺未遂から一年がたつころ、妹尼は法要に使う大量の衣装のオーダーを受けました。これはが浮舟の一周忌のために用意してるものでした。一方、僧都が宇治で女性を救ったという話を明石中宮から聞いてピンと来た薫は、事実を確かめに僧都のもとに向かいます。



補足:なんと浮舟は生きていました。入水自殺ということでしたが、さまよった末に森で倒れていたようです。さて、浮舟はモノノケに取りつかれていました。モノノケは浮舟の身体を去るときに僧都の弟子に取りついて告白を始めました。告白によれば、美女たちが住む家に住みついて一人殺した後に、死にたいという美女がまたいたので取りついたということです。一人殺したというのはおそらく大君で、次に浮舟を狙ったわけですね。それにしても、このモノノケ、わざわざ僧都の弟子に取りついて告白してくれるとは、サービス精神旺盛としか言いようがありません。告白しないでさっさと逃げればいいところを、延々と告白しつづけてくれるんですから、まるで2時間サスペンスです(笑)。もしかしたら、山村美紗さんは紫式部の生まれ変わりでしょうか? さて、明日はついに最終回です。


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