一瞬で読める源氏物語No.52 蜻蛉
No.52 蜻蛉（かげろう） 薫27歳の物語
浮舟の失踪に宇治の屋敷は朝からパニクりました。入水自殺であることが確定的な中、途方に暮れる中将の君は、自殺であることがバレないよう一切をトップ・シークレットとし、その日のうちにさっさと浮舟の葬式を済ませました。あまりの突然の死のニュースに極アンニュイ状態の薫でしたが、同じくディープにヘコむ匂宮を見舞いに行きました。二人は互いに腹の探り合いを展開しつつも最終的には涙にくれます。その後、浮舟の死が入水自殺だったことを知った薫は、浮舟を宇治にほっぽらかしにしておいたことを悔やみ、盛大な四十九日法要を行います。夏のある日、薫は偶然、今上帝と明石中宮の長女で、妻の女二宮の姉にあたる、ラブリーな女一宮を垣間見て恋心を持ちます。そして女二宮に、女一宮と同じ服装をさせて楽しんだりします。命はかないカゲロウが飛び交う夕暮れに、大君・中君・浮舟のことを思い出してはクヨクヨ後悔する薫でした。
補足：どうしようもなく悲しい事態となりました。薫も匂宮も中将の君もメイドもみんな浮舟の突然の死を悲しみました。こんなことを誰が予想していたでしょうか。しかも入水自殺です。薫と匂宮の落ち込みようといったらありません。こんなことを誰が予想していたでしょうか。そして夏になり、薫は女一宮に恋して、その妹で妻の女二宮にコスプレさせて楽しみます。こんなことを誰が予想していたでしょうか（笑）。それにしれも、最初は女性に興味がないような素振りを見せておいて、結局は八宮の3姉妹と今上帝の2姉妹の合計5人にちょっかいを出してしまった優柔不断な薫です。こんなことを誰が予想していたでしょうか（汗）。あと2帖を残すのみの源氏物語・・・物語は意外な方向に進みます。