一瞬で読める源氏物語No.46 椎本 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.46 椎本

源氏物語


No.46 椎本(しいがもと)  薫23歳春-24歳夏の物語


から聞いた宇治の姫君たちのことが気になる匂宮でしたが、皇族であるためそう軽々と宇治を訪ねることができません。そんな中、やっとチャンスが訪れ、長谷寺参りの帰りに薫らと宇治の夕霧の別荘に立ち寄りました。パーティーの美しい管弦楽が宇治川の対岸にある八宮の屋敷にも響いたので、八宮は薫に和歌を添付したメールを贈りました。そして、このメールには匂宮が返信し、これをきっかけとして中君とメルトモになることに成功しました。秋になると、八宮は厄払いのために阿闍梨の山寺にこもることにしました。八宮は出かける前に死期を察したのか、薫に娘たちの世話を頼む一方で、娘たちにはろくな人間とは結婚しないよう注意しました。そしてその山寺で八宮はあっさり亡くなりました。薫はその後、よく姉妹の世話をしました。年末になると、中君に匂宮との結婚を勧める一方で、大君にコクります。大君は気づかないふりをしました。



補足:さすがはプレイボーイの匂宮です。女性が行動の最大のモチベーションになってますね(笑)。しかも薫に来たメールの返事を強引に書いちゃうところなんて目標のためには手段を選ばずです(笑)。なお、八宮の屋敷は宇治神社で、夕霧の別荘は平等院がモデルといわれています。確かに宇治川を隔てて対岸にありますよね。それにしても、あれほど遺言めいたことを言った八宮は、山寺に厄払いにいくというよりは、むしろ死にに行ったような感じですね。大君は薫の告白を受け取りませんでした。薫は案外「ろくな人間」でなく、大君は父の忠告を聞いただけということも考えられます(笑)。


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