一瞬で読める源氏物語No.39 夕霧 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.39 夕霧

源氏物語


No.39 夕霧(ゆうぎり) 光源氏50歳秋-冬の物語


「マメ男」と呼ばれる夕霧は相変わらず落葉宮通いを続けてました。そんな中、一条御息所が病気になり、落葉宮とともに小野の山荘に移って療養を始めました。見舞いに行った夕霧はついに落葉宮に告白しますが、明け方近くまでの説得も空しく、拒否られて帰ります。そんなこととも知らずに夕霧の朝帰り目撃情報をつかんだ一条御息所は、早トチリし、落とし前をつけるよう夕霧にメールします。そのメールが到着するやいなや妻の雲居雁にとりあげられてしまった夕霧は、なんとか翌日に返信しますが、時すでに遅く、ブチ切れた一条御息所は心労で死んでしまってぃました。夕霧を恨む落葉宮ですが、それでも夕霧のアタックは続きます。光源氏紫の上も心配です。ブレイクスルーを狙う夕霧は、一条にある落葉宮の家を勝手に改築して落葉宮を小野の山荘から強引に呼び寄せます。そしてついに落葉宮もあきらめ夫婦の契を交わしました。すると今度は、雲居雁がブチ切れて8人の子供たちと実家に帰ってしまいました。



補足:完璧に生真面目な人が、ひょんなことから禁断の恋におぼれて、今まで築いてきたすべてをメチャクチャにしながら落ちていくという話は、よくあるステレオタイプの話です。ただ、こういう人って千年前からいたんですね(笑)。まじめすぎてつまらないと評判のマメ男の夕霧は、光源氏とは違って常に誠実に紳士的に女性と接してきました。これまでも紫の上や玉蔓にプラトニックな恋をしたりしていましたが、光源氏のように無理やり契りを交わすようなマネはしませんでした。ところが、いったんその抑えがはずれたとき、他人の家を勝手に改築しちゃったたり(笑)、信じられない行動に出てしまいました。それにしても、夕霧は雲居雁に子供を8人も産ませていたんですね。実は夕霧は、五節の舞姫に選ばれた惟光の娘[→No.21乙女] にも4人の子供を産ませています。マメ男というか、源氏物語における橋下大阪府知事です(笑)。


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