一瞬で読める源氏物語No.36 柏木 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.36 柏木

源氏物語


No.36 柏木(かしわぎ) 光源氏48歳正月-秋の物語


女三宮にメールを送信してラブラブぶりをアピールするアンニュイな柏木ですが、病状は悪くなるばかりです。このメールにしぶしぶ返信した女三宮は、まもなく不義の子、薫(かおる)を出産しました。光源氏を恐れる女三宮は、アポなしで見舞いに来た朱雀院のアシストにより、光源氏の反対を押し切って出家してしまいます。実はこのとき六条御息所の怨霊が女三宮にとりついて出家をプロモートしていたのでした。女三宮の出産と出家の知らせを聞いた柏木は、見舞いに来た夕霧に対して、光源氏に許してほしいというチンプンカンプンなメッセージを託すとともに、妻で女三宮の姉でもある落葉宮(おちばのみや)のケアを頼むと、まもなく亡くなってしまいました。薫の生誕50日祝いの日、光源氏は柏木似の薫を抱きながら因果応報を感じるのでした。一方、女三宮の突然の出家や柏木の光源氏へのメッセージを不可解に思う夕霧でしたが、未亡人の落葉宮を何度か見舞ううちに恋心を抱くようになってしまいました。



補足:柏木は女三宮に不義の子を生ませてしまったことに思い悩んで亡くなってしまいました。光源氏はそんな柏木に憎しみを持っていましたが、それはどちらかといえばお門違いというものです(笑)。その昔、光源氏は藤壺と無理やり契りを交わして妊娠させましたが、そのとき妻を寝とられた桐壺帝は何も知らずに懐妊を喜び、光源氏の須磨+明石行きのピンチの時には、怨霊になってまでも助けてくれました。その間、光源氏は何をしていたかというと、桐壺帝や藤壺のことなんかお構えなしに、少なくとも、末摘花、源典侍、朧月夜、花散里、明石の君の姫君達と契を交わしていました(笑)。それにしても、六条御息所の霊は怖すぎですね。光源氏に対する怒りと姫君たちへの嫉妬の両方をいかんなくはらしています。ただ、私はこの六条御息所の怨念は、[大塚ひかり] さんも指摘しているように、源氏物語の一話目の前の時代の恨みが関係している、かなり奥が深い話のように思います。これについてはまた別の機会に・・・


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