一瞬で読める源氏物語No.34 若菜上 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.34 若菜上

源氏物語


No.34 若菜上(わかなじょう) 光源氏39歳冬-41歳春の物語


病気がちで出家した朱雀院から14歳の娘の女三宮(おんなさんのみや)を正妻にするよう頼まれた光源氏は、しぶしぶその申し出を受けます。これまでに正妻格としてずっと光源氏を支えてきた紫の上はかなりのアンニュイ状態です。新年を迎えると、二児の母となった玉蔓が光源氏の40歳の祝賀パーティーを主催し、縁起の良い若菜をプレゼントしました。他にも、紫の上、秋好中宮冷泉帝の命令を受けた夕霧がそれぞれ別々に祝賀パーティーを主催しました。そんなパーティーの合間に女三宮が六条院にやってきますが、三夜連続契りを交わした光源氏はそのあまりの幼さに失望し、朱雀帝の出家でフリーになった朧月夜と再び契を交わすようになりました。そんな光源氏の行動をすっかりお見通しの紫の上はアンニュイ度をさらに深めます。年が明けると、明石の姫皇太子の息子を出産し、明石入道は安心して仏の道を進むことにしました。そんな中、柏木は六条院での蹴鞠遊びの最中に女三宮の姿を偶然見てしまい、一目ボレしてしまいます。



補足:その昔、平均寿命が短いころは、40歳といえば今の還暦みたいな年齢でした。その経験豊かなご老体と消しゴムが落っこちても笑ってしまうような年齢の姫とのカップルは、ちいとばかりうまくいかなかったようです。それにしても光源氏は、女三宮に失望して紫の上のもとに帰ると思いきや、朱雀院の出家でフリーになった朧月夜に走りました(笑)。はるか昔にあんなに痛い目にあったのにおかまいなしです(汗)。なお、「出家」というのは、仏の道に入るため、すべてを捨てて「家出」することです。今回ちょこっと出てきた明石入道の場合は、在家入道だったので、仏の道には入っていたのですが、家を捨てていたわけではありません。ただ、ついに一家からミカドを輩出するという夢がかない、出家入道となるようです。目標を失って5月病に陥らなければよいのですが(笑)。柏木は蹴鞠遊び中に明らかにヨソ見をしてました。太政大臣の息子でなければ、友達から非難ゴーゴーだったことでしょう(笑)。


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