一瞬で読める源氏物語No.13 明石 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.13 明石

源氏物語


第13帖 明石(あかし) 光源氏27歳3月から28歳8月の物語


須磨の海岸で暴風雨が吹き荒れて以来ずっと嵐の日が続き、家も火事になるという不幸のドン底にいる光源氏でしたが、夢の中に桐壷院が現れ、須磨を離れるようお告げを残します。あくる朝、同じくお告げがあったという明石の入道がタイミングよく船で現れ、その船で光源氏は明石に引っ越しました。そのころ、都でも嵐の日が続き、朱雀帝は夢の中で桐壷院にニラみつけられます。それ以来、右大臣は急死、弘徽殿は病気、朱雀帝は目をわずらうといったように次々と不幸が右大臣ファミリーに襲いかかりました。朱雀帝は、これは光源氏をこよなく愛した桐壷院のタタリだと思い、光源氏に京都に戻るようメールを送ります。そのころ光源氏は、明石の入道のモクロミどおり明石の君と契りを交わす仲になっていました。明石の君は身分の差に恐縮しながらも、光源氏の子を宿していました。光源氏は、必ず迎えに来ることを明石の君に約束して京都に戻ります。



さて、間違いやすいのですが、明石の入道は、明石のタコ入道ではありません(笑)。入道とは、仏道に入って髪をそった人をいいます。タコ入道というは、髪をそった入道がタコに似ているためです。ただ、明石→タコ→入道はできすぎだと思いませんか(汗)。なお、この時代のお坊さんは結婚して子供を生むことはありませんが、入道は途中から仏道に入ったので子供がいてもおかしくありません。それにしても冷静に考えてみると、朱雀帝は一人負けです。婚約者の朧月夜を弟の光源氏に寝取られ、実質上は弘徽殿が光源氏を追いやったというのにも関わらず、桐壷院の亡霊から罰を与えられてしまいます。朱雀帝にはけっして非はないと思いますが・・・。光源氏の種の繁栄を本能とする生物学的な行動力のたくましさにも恐れ入ります(笑)。


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