一瞬で読める源氏物語No.9 葵 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.9 葵

源氏物語


第9帖 葵(あおい) 光源氏22歳-23歳春の物語


少し時が過ぎ、桐壺帝がミカドを引退して桐壷院(きりつぼいん)となり、光源氏の兄である皇太子が新たなミカドの朱雀帝(すざくてい)に、藤壺が産んだ子が皇太子になりました。さて、光源氏の子を妊娠した葵の上は、葵祭見物に出かけましたが、混んでて見物できる場所がありません。そこで沿道の車を強引に押しのけたのですが、その車にはお忍びで来ていた六条御息所が乗っていました。もちろん怒り心頭です。八月になると、夕顔を呪い殺したあのモノノケ女が出産間近の葵の上を襲います。このモノノケ女は光源氏の姿を見ると退散しましたが、その正体は六条御息所の生霊でした。葵の上は、夕霧(ゆうぎり)と後に名付けられる男の子をなんとか産みますが、力尽きて死んでしまいます。光源氏は、最近仲が良かった葵の上の死を悲しみ、左大臣の屋敷でヘコんでいましたが、やがて紫の上のことが気になり始めて自宅に戻りました。そして紫の上を正式に妻にして契りを交わすのでした。



補足:モノノケ女の正体は死者の霊ではなく、光源氏の愛人、六条御息所の霊でした。女性のジェラシー+恨みは恐ろしいですね(汗)。なお、この生霊が夕顔を呪い殺したというのは、原文にはなくあくまでも言い伝えですが、そう考えるのが自然なのでそう書きました。ところで、六条御息所は、生霊になる時には自分が何をしていたか記憶がありませんでした。まるでジキル博士とハイド氏なのですが、私も最近記憶にないことが多くなってきました。忘れっぽいだけ(汗)と思いますが、どこかで迷惑かけていたらごめんなさい(笑)。それにしても、1000年もの昔から葵祭はめちゃ混みだったんですね。それとズルして割り込む人も昔からいたんですね(笑)。ただ何よりも、光源氏の頭の切り替えの速さには恐れ入ります。もう紫の上に夢中です。まるでジキル博士とハイド氏のようです(笑)。


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