文字のない最後のメール~父からの言葉(気持ち) | 背番号11.human.network~すべては手の中にある

文字のない最後のメール~父からの言葉(気持ち)



僕は、亡き父を一番尊敬している





そしていつも空から僕を見守ってくれていると信じている。

僕にとって父は最も大切な存在





しかし親孝行を何一つできなかった事は、

いくら涙を流しても洗い流せない後悔なのだ。





父の偉大さは僕にとって越えることができない事実として記憶に残っている。





そして忘れられない、いや思い出すと涙が出て、思い出したくない事実も

今だに僕の中である。





涙がとまらなくなるから思い出したくなかった、

見せたくない誰にも伝えなかった事を今から伝える。





父が亡くなる前、二人の最後の旅行となる上高地の話である。

この話はあまりに僕にとって強烈な出来事であり、

今ようやく人に伝える事ができるようになった事実である






父と最後の旅行になるとはまったく考えていなかった僕は、

父とふたりで楽しく観光をしていた。





親父との話は今だに鮮明に覚えている。



内緒だが…と伝えられた母と世界一周する予定なのだ!と

嬉しそうに伝えていた姿。



または道場を持ちたいという夢を語ってくれたり、株の話をしたり…

いろいろな思い出がたくさんまだまだ頭の中で輝いている。



そのたくさんの思い出の中で忘れられなく、

そして今だに気持ちが乱れるために、人に伝えられなかった話がある。





それを伝える。









父は僕と同じ携帯電話を待ち始めた。

父ははじめて携帯を持つため、僕は上高地の旅行の最中、

電話の出方から、電話のかけ方を教えた。





しかし、なかなか父はわからず、覚えられなかった。





しかし持ち前の好奇心旺盛な気持ちで

なんとか次の日に使いこなせるようにはなっていた。





帰りのバスでの出来事である。父がおもむろに携帯の説明書を見て、

「メールの仕方を簡単に教えてくれ!」と話した。





だから僕はゆっくり丁寧に父に教えた。





父にメールを使ってもらうためサービスエリアで

父が試しに僕にメールした!



父からメールが届いた!しかし父は文字が送れないでいた。





父は「いまだになぜ送れたか?わからんわ~」と

いつもの満面の笑顔で伝えた。



そして父はさらに伝えた。

「これができたら、電話と違い、

伝えたい事が相手にメールで伝えると残るのだな~!

よーしなんかあったらメールするから返事くれよ!」

と父はやる気満々だった。







父が2001/03/15急死した





最後を見取れなかったのは家族で僕だけ



何をしていたのだ~と落ち込む僕。

右ポケットの中には携帯があった。

そしてメールを受信したと表示された文字を見た。



そのメールは今亡くなった父からのメールだった!

文字のない「メッセージなし」メールだった。





時間は2001/03/15/12:24。





親父が苦しんでいる最中の時のはず!

運ばれそうになる苦しい時のはず!



もう意識もなくなりそうな苦しい時だったはず、

なのに僕になぜメールをくれたのだろう。



父は電話ではしんどくて話せないから、





僕に何かを伝えたかったのだろうか?





または助けを欲しかったのだろうか?





僕はそれをまったく気付かず、

さらに最後を見ることができなかった。





涙を流しても洗い流せない事がある。

そして今だに洗い流せないとわかっていながら流す涙がある。







約束したもんな~父さん!

父さんからメールが届いたら返事するからねという約束した事!







家族みんなに送れるよう教えてあげるからねと約束した事!







その年齢で一番メールを使いこなせる人にしたるからな~と約束した事…





父さん!





やっとちゃんとメールを僕に送れて、



今から約束した事を教えようと思ったのに…(涙)突然過ぎるよ!





父さん!まだまだいっぱい父さんを喜ばせる機能があるんだよ!





いっぱい父さんの満面の笑顔が見れたのに…





父さんとこれからメールしたかったのに…それはないよ!





突然過ぎるよ(涙)

いくら父さんがメールちゃんとできるようになっても、



父さんがもういなかったら、教えられないし、

これからたくさんメールしようと相談しようとしてもできないやん!





そして父さんのあの満面の笑顔がもう一生見ることできないやん(涙)



突然過ぎるよ!早いよ!父さん!何一つ僕は父さんに親孝行出来なかったよ。



知っている?父さん!





これから働くから初任給でGWに父さんと二人で

また上高地に行こうと計画していたの?





知っていた?父さん!





美味しかった上高地でのアマゴ丼を

またふたりで食べようと場所を探していたのを知っていた?





知っている?父さん!





父さんを驚かすために黙っていた僕の我慢を知っていた?





父さん!父さん!父さん!





本当…突然過ぎるよ~!何一つ親孝行できなかったやん(涙)





尊敬する父さんは逝ってしまった。

でも僕の中で父は生きている。

心の中で…



この携帯の受信メールボックスの中で…

メッセージのない言葉ではあるが言葉だけでは伝わらない気持ちが

そこにはある…





父さん!親孝行は父さんが生きている間はできなかったけど、

これからの僕を空から見ていてね!



父さんにはいくら何をしようと無理だから、



たくさんの人を助けられる人間になるから…



人に幸せを与えられる人間になるから…



そして父さんの偉大さをこれからも伝えていくから…




大好きな父さん!天国からでも、情けない息子の僕を見守っていてね!

だから僕は活きるのだ!精一杯に…



よかったら、読者になってください。



「亡き父の夢である分かち合いの文化」を世界に広めたいからです。



どうかよろしくお願いします。





父への文章はまだあります。




現在は「今という時間をくれた優しい兄貴の話
」を配信中



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