今迄 気になってはいたけれど 訪れるまでの動機がなかった
サイトウ・キネン・フェスティバル松本


そして今回 その動機が出来 足を運ぶ
その動機はサイトウ・キネン・フェスティバル松本+まつもと市民芸術館 共同制作
ストラヴィンスキー『兵士の物語』


公演概要
音楽と演劇など舞台芸術によるフェスティバルを目指す、小澤征爾総監督と、串田和美まつもと市民芸術館・芸術監督が組んだ初めての作品です。兵士と悪魔のやりとりから始まる数奇な運命の物語を、実力・人気とも抜群の石丸幹二ら魅力的な俳優陣と、アイデア満載の演出でお贈りします。




音楽監督:小澤征爾 

芸術監督:串田和美


作曲:イーゴリー・ストラヴィンスキー
台本:シャルル・フェルディナン・ラミューズ   
演出:ロラン・レヴィ
美術:フロランス・エヴラール

兵士:石丸幹二
プリンセス:麻生花帆
語り手:福井貴一

悪魔:串田和美

ヴァイオリン:郷古廉
クラリネット:吉田誠
トランペット:只友佑季
パーカッション:中谷孝哉
コントラバス:谷口拓史
ファゴット:星野美香
トロンボーン:今村岳志


会場はまつもと市民・芸術館

串田和美さんはこちらの芸術監督

今年1月の『十二夜』に続き再び串田和美さんが関わる作品に出会い
その双方に石丸さんと共に俳優である串田さんの芝居を観る事が出来る
そして平原綾香さん関係で観だしたNHK連続ドラマ小説『おひさま』にもご出演の串田さん

今年は串田和美さんに楽しませていただく年になった!


幾つかある会場の中で今回の劇場はこちら
まつもと市民芸術館:実験劇場

この「実験劇場」の造りそのものが今回素晴らしい旨味になるわけだけれど
この日のマチ&ソワ鑑賞(全5公演中の第3回目&第4回目)感想は後日!



【アフタートーク】

公演が終わってビックリの「アフタートーク」
チェックしておらずこの情報を全く知らなかったもので
終演後 係員が何か伝えているなぁと思いながら聞き逃し
お隣の方にお尋ねするとなんと! 「アフタートーク」があると!

さてその内容について
今後このようなアフタートークは予定されていないのでここに記録!

石丸さんをはじめ出演者全員(楽士方も)が登場
そしてスペシャルゲストとして俳優・演出家の白井晃さんの登場もあり

衣装からお召替え後の石丸さんのいでたちは白長袖シャツに黒いネクタイ&黒ジーンズ
軽く足を組んでリラックスされている様子

串田さんが司会

(悪魔:串田和美さん)
演出家は初日が明けると帰国しました
今は居りませんので自由にお話しましょう(笑)

小澤さんと話をしながらこのサイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)にも演劇が入るといいなと言っていた
それが実現しました
音楽と芝居が融合する作品
今回その初めての試み第1回です!

(ここで あれっ?という感じで)

疲れているのに何故か司会させられているなぁ(笑)

今年(自分の演出で)『十二夜』を上演しましたが
その時の公演を今回の演出家ロランが観ていて
『十二夜』で共演(主演)した石丸幹二さんをも観ています
そして今回を迎える


(兵士:石丸幹二さん)
楽器のメンバーも演技に参加する形がおもしろい
最初はその演奏を聴いている時は演じようとしていたが今は素で聴いている(笑)



(語り:福井貴一さん)
(上演中はあんなに素敵な語りをしていた福井さん めちゃくちゃ関西弁 笑)
もう大変!
指揮者は居ないわ 〇〇やわ ……
(そのラフないでたちと首から巻いたタオルと強烈な関西弁で喋りの内容 飛んでる 笑)


(プリンセス:麻生花帆さん)
1幕はお客さんと同じように観ている
(2幕のプリンセス登場のダンスから本領発揮なので)
公演を重ねてきて楽士達との呼吸が合ってきているのが気持ち良い


(スペシャルゲスト:白井晃さん)
実は1年半ほど前に同じ演目を石丸幹二さんの一人芝居として演出した事がある
その時も不思議な話だなぁ
1918年によくこんなものを作ったなぁ思った
今回舞台を観て 編成は数名なのに 何故この(たくさんの)椅子?
コンダクター無しでやるの?
音に台詞をはめ込むのが大変だろうなぁと思った
上手くはめ込んでいる

ミュージシャンが大変だろうなぁ
何気に居なくちゃいけない
でも演技もしなくちゃいけない
その塩梅が


(串田)
世界中で色々な形で演じられている
クーパ(アダム・クーパー)のものも観ている
変な話は好き!
元々音楽を芝居に取り入れたりしてきている
今回もタンゴ ワルツ ラグタイムと様々な音楽あり
色々な試みをしていた時代のストラヴィンスキーの作品
方法論としては好き
これからもしていきたいと思う


(コントラバス谷口拓史さん)
8/13から音楽稽古が開始
(楽士達の)年齢差と音楽の中に芝居が入ってくるのが初めてで(笑)
今は普通のクラシックに戻れるか心配(笑)



(トロンボーン今村岳志さん)
『兵士の物語』そのものに関わるのは4回目
4つの演出に関わってきた
毎回違う音の入り方がいつも新鮮
また やりたい!


(クラリネット吉田誠さん)
クラリネットにとってはデンジャラスな体験
動き回る事でリズムはずれる
しかし同じ表現者として役者に通じる「間」を楽しんでいる


(パーカッション中谷孝哉さん)
串田さんと同じくらいに最年長
郷ひろみと同じ年齢(笑)
新聞に7名の若手と書いてあって…(笑)
大震災後の日本に警鐘していると思う
~大事なものに何かを足してはいけない 大切なものはひとつだけ~

 
(トランペット只友佑季さん)
楽士も女性にはヘアメイクが付いたり
動き回って吹いたりと楽しく良い経験をしている
原作にはまるいトランペットとあり今日吹いているのは「コルネット」という丸いトランペットです
(確かに! ホルンと似ているなぁと眺めていた)


(ファゴット星野美香さん)
あがり症で毎日緊張しっぱなし
でも役者が目を合わせてくれたりと今は楽しくやっている


ヴァイオリン郷古廉さん
(私が楽士の中では一番に注目していた方
この演目が発表された時に演目上やはりヴァイオリニストが一番に気になりネットで調べてみると
なんと我が息子よりも1歳年下!?
現在高校3年生と知る
わずか14歳でデビューを果たし使用楽器は個人所有者の厚意により貸与されている1682年製アントニオ・ストラディヴァリウス(Banat)であるという事
これらの事前情報で興味深々の方だった)

マイクが回ってくるまでが今日で一番緊張した
開演から本日で3回目の上演
毎日 発見や喜びがある
自分は仙台出身で地震を経験した
半年経つけれど考えさせられる事が多い
日本や世界中の今の問題に繋がっている作品だと思う
今回の上演を楽しみにしていた
17歳なのに生意気で周りの方に助けられて有難い
共演が始まって同じく表現する人として
どう思って台詞を言っているんだろう?等 勉強になった


(串田さん)
楽器を壊さないかと心配になったよねぇ
(と俳優陣に向ける)
高い楽器なんだよね

(石丸さん)ストラディヴァリウスです!

(誰かが)3億円!

(郷古さん)借りてるだけです!

(石丸さん)
(劇中で)10フランのヴァイオリンとか言って 実は3億円ですから~!!(笑)


(石丸さん ナイス突っ込み!!)


(串田さん)
台詞と音楽の融合など 難しい事もあったり
でもそれを乗り越えて楽しい事があったり
(これからのSKFが) 小屋(劇場)だけでなく公園や道端で音楽や芝居が流れるお祭りになっていけばいいなと思う


(この串田さんの言葉 胸を揺さぶる
そう 芸術とはパブリックなもので自然に皆の生活の中に存在するもの
一部の人ではなく多くの人に見聞きしてもらえてこそ本当の芸術という考え方
これぞパブリックアートを貫いた岡本太郎さんの
私が惹かれてやまない芸術の捉え方!
串田さん! ステキだ!!)



(白井さん)
この演目を1年半前にした時 不思議な話だけれど含蓄のあるものだと感じた
地震と重ねて考える方もあるけれど自分はそうでもない
1918年のロシアで生まれたこの話
時代的には 資本ではないと否定はしたが人間のイデオロギーではわからりなかった事が
(ロシア革命)現実での動きで知る事となった
進んだら時間は不可逆だという事
悪魔=時間だと自分は考える


(石丸さん)
この演目の上演は松本から中国・北京そして上海へと繰り広げられます



(福井さん)
中国語しゃべらなあかんの~


(石丸さん)
(福井さんのベタベタの関西弁 しかも心からの叫びの関西弁に触発されて?)
喋んの? かわいそっ!
(って ツッコミが関西弁なことろが ナイス! 笑)
舞台も違うしね
最後は
(舞台が変わり々演出は出来るのか?という懸念から)串田さんの肩に乗るか
ハシゴ(劇中 兵士が悪魔の誘惑に負け 馬車に乗ってしまい現実では無い時空へと足を踏み入れてしまう場面に見立てたシーン)は出来ないな(笑)
観たい方は一緒に中国へ~
お待ちしています!!



(福井さん)
「ヴァイオリン」と「本」が欲望と境界線と示していると思う
人間の本質論を物語っていると思う
ええ話やなあ
自分自身の境界線を感じてもらえたらいいな


(麻生さん)
誰にでもあてはまる話
毎日 自分の感じ方も呼吸も変わる
深くて面白い話
(残る公演)また出来るのが楽しみ!
またいらして下さい!


(串田さん)
皆が良いと言ってくだされば
上手くいけば来年~再来年と出来ます
ありがとうございます



~これにてお開き~

『兵士の物語』上演 14:00~15:15

終演後 小休憩

アフタートーク終了 16:10

ソワレ公演が19:00から控える中 観客にとっては嬉しい良い時間だった
(何しろ 母がもうしばらく石丸さんの姿を拝見出来るのをとても喜んでいた 笑)


~おまけ~
素直な言葉が並べられた素敵な麻生花帆さんのblog

少し前からチェックしていて麻生さんのブログフォト8/12と
石丸さんのフォトエッセイ8/22のフォトのリンクにほくそ笑む
この24日の舞台は出演者からしても良い舞台だったようで!

何より 何より!