<東日本大震災の後の卒業式で、感動を呼んだ15歳の答辞> | 先生が教える小学校と勉強:小学生子育てプロママ養成講座

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 最近どんどんその中身は変化しているようで、ほんとのところ、今の小学校って、よく分からない。
 そんな小学生を持つママ(パパ)が、学校を知って不安を解消。あなたもこれで、小学生子育てプロママ。
 分かって安心!小学校。分かった!小学生の我が子応援のコツ。

  2011年3月11日。東日本大震災という未曾有の災害が起こり、その影響から原発事後へと被害が拡大し今日に至り、あれから半年を経た今も、復興の進み方は亀の這うがごとく遅々としたものです。

 

 大人もさることながら、小学校、中学校の児童生徒の受けた心の傷は、長期にわたりケアしていく必要があり、私たちもいろいろな取り組みを進めてまいりました。

 

 さて、あの時偶然ニュースで目にした、気仙沼市の延期された中学校の卒業式で、一人の中学生が読み上げた(と言うより、語り上げた)答辞が、半年以上の時を経て、話題として取り上げられ、ネットで配信されているのを目にし、あらためて、あの日を思い出しました。

 

 気仙沼市立階上中学校の当時3年生だった梶原裕太君というその生徒の答辞が、文部科学白書に全文掲載され、これは、異例のこととして、NHKのニュースウォッチ9で採り上げられました

 
 

 彼が涙ながらに語った答辞。


 「自然の猛威の前には、私たちの力はあまりにも無力です。 

  

  私たちから大切なものを容赦なく奪っていきました。

  

  天が与えた試練と言うにはあまりにもむごすぎるものでした。 

  

  つらくて、悔しくてたまりません。

 

  しかし、苦境にあっても天を恨まず、運命に耐え、助け合っていくことが、これからの私たちの使命です。」


 

 ほんとうに、心に響く言葉です。何度聞いても涙が出ます。

 
 

  3月の23日、私の周辺の小学校もすべて正式な卒業式ができなくなり、それに関 するお話と共にこの答辞について、私もお伝えしたもの がありました。
 

 

  3月の放送直後から、ネットには書き込みが多数あり、この答辞を聞いた福岡県の男性は、ご自身が火災にあってかなり落ち込み、苦しい状態にあったのに、「『天を恨まず』。自分も、こんなことはしてられない。」と勇気をもらい、今では、災害復旧の支援活動にあたっていらっしゃるとのこと

 

  また、岐阜のある中学校では、この答辞を授業で採り上げたそうです

 


  この梶原君ご自身は、岩手にある高等専門学校に進学し、「一刻も速く災害の情報を人々に届けられるシステムの開発ができるように。」という目標を持って、コンピューターの勉強をされているとのこと。


 

  こういう生徒さんがいる限り、日本の未来も、そう暗いものではないかも知れませんね。