ポクちゃん | なぜぼくらはおいていかれたの 

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地球はみんなの星 猫も犬も大きな動物も小さな生き物も人間も 心に感じる思いをまげず ゆうゆうとのうのうと生きる星 


右の目がこんなに飛び出ていたポク。
この段階で、先生は「いずれは眼球摘出ということになるでしょうが、今は様子を見ましょう。眼球がこのまま潰れることも」。
私は、ポクに苦痛はないのか、眼球が潰れる時どんなに痛いだろう・・・」と慄くばかり   

やがてポクは苦痛を感じているようなことはなく、↓のようになった。
左の目は眼球がわずかに見えるが白濁し、右目は上下の粘膜がくっついて眼球は見えない。
素人目にもポクに視力がないのはわかる。
でもポクはとても元気。食欲旺盛で便の状態もいい。トイレがわからなくてそこらじゅうに排泄していたけれど、10月14日の現在、ちゃんと砂のトイレを探し当ててそこでする。
遊びたくなると就寝中の私の顔に噛みついて起こすのがトホホホ。

こういう目になるまで、どんなに怖く、寂しく、苦しく、親を呼び泣き続けたことだろう。何日そんな恐ろしい日が続いたのだろう。・・・それを思うと胸が張り裂けそうになる。ついに泣く力もなくどこかに蹲っていた時、人間の誰かが見つけてうちの駐車場に置いていったのだろうと思う。
よかった。私にまだこの子を掬いあげる力が残っていた。
神さまに感謝するばかりでしたよ。


ポクは私の部屋にいる。24時間ラジオがついている。
部屋に入る時、ふすまを開く前から「ポクや、ただいま~」と大きな声をかける。
するとふすまが開いた時にはもう私の足元にきてゴロゴロと喉をならしてズボンに爪をひっかけて登ってくる。

声をかけるのを忘れていきなり部屋に入った時、気配に怯えて見えない目で隠れる場所を探したポク。急いで、「ポクちゃん、大丈夫だよ、大丈夫だよ」と言うと、ほっとして駈けよってきた。その怯えた時の可哀そうさ。ほんとに可哀そうだった。
以後必ずふすまを開ける前から大声で歌うように言うのだ。
「ポクや~、可愛いポクちゃん~、只今だよ~」。