ある作家さんからの手紙=これは保護・給餌活動の皆さんに寄せられた | なぜぼくらはおいていかれたの 

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地球はみんなの星 猫も犬も大きな動物も小さな生き物も人間も 心に感じる思いをまげず ゆうゆうとのうのうと生きる星 

「けいかいくいき ぶたまるさんがいく」を活動の一端として出版した後、何人かの友人、知人にお送りしました。
すると殆どの方から、「原発事故後、政府や自治体の方針で、どうぶつたちが警戒区域に置き去りにされている、というニュースは聞いていたが、実態がわからないので、無関心に近いままでいた。ひどい状態だったんですね。絵本のように民間の団体やボランティアの人が懸命に救出と給餌に尽くしていることに感動しました。今後は関心をもって何らかの形で自分も応援したい」という返信をいただきました。

私は、今回の原発事故で見た政府や自治体の無策(中途半端さ)とどうぶつたちのあのむごい犠牲と救出に尽くしておられる人々のことは、どうぶつが好き嫌いをこえて、社会は知るべきだ、人々に知らせていかなくてはと思い、そのための出版でしたから、こうした返信をいただき本当に嬉しかったです。また意欲も増してきました。
災害が起こるごとにどうぶつたちを放置して餓死させるという繰り返しをしていて、何の国の発展があるでしょう。こどもや人々の精神にネガティブな影響を与えるだけです。

3・11の地震と津波で死んだどうぶつは、その数想像を絶するほど多いと思われますが、警戒区域となった町に閉じ込められ、餌も水も貰えず死んだどうぶつは、地震、津波での死以上に多いに違いないのです。
しかもその死は、一瞬に近い死ではなく、何日も何日も飢えと渇きと寂しさに苦しみ、動物同士の闘いの恐怖にも耐えながらの末の、枯れ葉のように、あるいは傷だらけになった死であったのです。
こんな惨たらしい哀れ極まる死がほかにあるでしょうか。戦争時をのぞいて。

・・・・・といった私の思考はこれまで何度もぐだぐだ言ってきましたので置いといて、ある作家の方が返信して下さったメールを、ここに公開したいと思います。
それは、このような友人や知人の返信は、私個人ではなく、保護・給餌活動をされている皆さんが受け取るべきと感じるからです。
あの日から今も保護・給餌を続けている方々全部の方に、私もまた心から敬意を抱いているからです。

+++++++ここからSさんからのメールです+++++++++++++

マオアキラさま
お忙しい中、メールをありがとうございました。
自らが汗を流さないことに私は恥じ入っています。
佐々木さんは素晴らしいです。
ひるまない精神力の源は、命への畏怖であり、
小さきものたちへの比類ない愛なのだろうと思います。
先日、所用で京都に行きました。
駅前にふくしまの動物を救おうと募金箱を携えて声を枯らして訴えている人がいました。

東京でも何度か見かけたことがあるし、
パンフレットをもらってしっかりした団体だということがわかっていたので、旅費の残りをいくらか寄付しました。
するとすこし離れたところでそれを見ていたらしい修学旅行の子らが
ぱらぱらと駆けつけてきました。総勢で6、7人くらいいたかな。みんな男の子でした。

手にした小銭を次々と募金箱に入れていきます。
おとなは平気で素通りできても、この子らはそうはできなかったんだと思うと、
まだまだ日本の若者は捨てたものじゃないなってうれしくなりました。

(略)

昨夏、家の前に捨てられていた子猫を4匹保護しました。
前からの猫とあわせて五匹と暮らしています。
大変ねって周りの人からいわれますが、私はあの子らから無償の愛をもらっています。

元気でいられるのは彼らのおかげとしみじみ思います。
絶望の闇を超えてなお輝く希望の光をマオさんに感じました。
どうかどうかお元気でいらしてくださいね。