2013年5月13日の給餌日記 in 楢葉=町は今除染まっただ中 | なぜぼくらはおいていかれたの 

なぜぼくらはおいていかれたの 

地球はみんなの星 猫も犬も大きな動物も小さな生き物も人間も 心に感じる思いをまげず ゆうゆうとのうのうと生きる星 

昨日、無事に楢葉の給餌に行ってきました。
皆様からお送りいただきましたフード80袋弱に、我が家の猫用に買い置きしていたフード10袋を加え持っていきました。
このうち18袋を、帰り湯の岳のパーキングで落ちあっただるたにんさんにおわたししました。

だるたにあんさんは、毎週行かれていまして、しかも殆ど自費での活動ですからどんなにか大変だろうと思います。私もずうっと自力で頑張っていましたから、それは大変でした。
今こうしてご支援していただいて給餌等活動していることが夢のようです。
※だるたにあんさんは、とても淡々と自然体の方で全く気にされていらっしゃらないです。昨日もわざわざ湯の岳まで出てきた下さったのに、私がフードを使ってしまって少ししかお渡しできなかったのに、「気にしないで」と笑って言われて恐縮してしまいました。

それはともかく、こうしてわけることができるのは、それだけたくさん皆様からフードが届いている、ということです。あらためて感謝感謝です。ありがとうございます!
ほんとにそうなのですよ。
私は向こうで猫たちに合うと、いつも言います。
「たくさんの人たちが猫ちゃんたちに送って下さったんだよ、みんなで食べようね。犬さんも狸さんもどうぶつみんなで食べて、元気で生きようね」と。
こんなことを言葉にして書くと、独善的で青臭くて、いかがわし気ですが本当の気持ちですよ。

町は今除染まっただ中です。
除染が完全にすすんでいくのは、喜ばしいことで、除染の方と行き合うと、「お疲れ様です」「ありがとうございます」と礼をしますが、ただひとつ悲しみのような気持ちがわくのは、除染の終わった町に猫たちが生きるのを拒否する方がおられる、ということです。いえ、きっと猫を拒否ではなくて、餌やりを拒否、ということなのでしょう。

いずれにしても、大きな災害のあと、一部の人の心を、昔はきっとあったに違いない、「どうぶつもじぶんらもそれぞれの分を守っていっしょに町で生きればいい」という無条件の心持ちが、確実に少しかわかっていってるなぁ、と感じます。

また長々しく書いてしまいました。長過ぎをいつも反省するんですけどね、繰り返すんですよ。だめですね。


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黒い袋は除染した廃棄物が入っています。
今は町中にこの袋が積み上げられています。処分は適正にされているのだろうか、などつい思ってしまいます。原発が起こした人間の手に負えなくなりそうな物、事柄は、そこらじゅうにあるのですね。目に見えない物、事柄を含めるとどのくらいになるのか・・・。

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腕もわるいし、カメラもひどい代物だからはっきりしませんが、福島の山々は藤の花の優しい紫の色に染まっています。本当に美しい季節です。

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ある壊れたお宅の犬小屋におかせていただいているフード。ここは高台ですのに、犬小屋は津波の泥と思われるもので汚れていました。この小屋の主のワンちゃんは避難して無事なのだろうか、など思いながらフードを置きます。

洗面器は水を一杯入れて、道路から見えるところに置いておきます。どうぶつ自身がここに餌があることに気がついてくれることと、給餌ボランティアさんが気付いて、餌場をのぞいてもし餌がなくなっていたら入れてもらうことを願ってのことです。

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糞を見ると車から降りてまじまじと見てしまいます。
何の糞か、新しいかどうか、食べ物はどうかなどがわかるからです。明らかに新しい糞で、猫や犬がこのあたりで確実に生きて餌を待っている! と見てとれたら、フードの袋をより多く開いて近くの餌場に置くのです。
この糞は猫のもので、新しい、と私は思いました。警戒区域で糞を見ながらこの猫はどんな悲惨な状態にいるか察知して号泣してしまったことが何度もありますが、楢葉の糞は比較的健康状態はいいように見えます。
また住民の一部の方が狸だらけになってる!と私たちに激怒していわれることがありますが、糞の状態から見ると、狸は少ない、と感じますね。素人判断では心もとないですが。

社)なぜぼくらはおいていかれたの
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小屋にケースが積まれているのは、10日前はなかったもの。最近住民の方がここに餌を入れるな、という防止をされたのでしょう。
※それでも工夫をしてフードを置きます。私は諦めないたちなのです。すみません!

わらの向こうはフードが置いてある。人とカラスの目からこうやってフードを守る。・・・ナアンチャッテ言っても人もカラスもこんなことではごまかせませぬ。それでもこうして抵抗する。社)なぜぼくらはおいていかれたの

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昨年の十月末に警戒区域に入れなくなり、給餌に行っていたF地区の猫たちのことが気になって心身がダメージを受けてしまい、実はあの時期から健康状態がよくありません。
特に今年一月、痛みのともなう症状が三週間続いたのは痛手でした。

その後も身体がSOSを発しているらしいいくつかの症状が在るのですが。現在これは二度目なのですが、左が真っ赤に充血し、視力が落ち、真っ直ぐに歩行ができなかったりします。

昨日の給餌は正直不安でした。
でもかなり距離範囲の広い地域35か所を一人で全部まわってくることができ、まだ大丈夫だ、と自信が少し戻ってきました。よかったです。

こんな状態ですが、給餌と、絵本の出版3巻までは時間がかかってもやりとおす覚悟です。状況を打開できればもっと続けたいです。
戦後、政府や指導的活動者からだけではなく、普通の庶民が、戦争の日常の実態を本や語りで明かしてこられ、それによって、戦争とはどういうことか、どのように人々を蝕んできたかなどが広く人々に伝わっていきました。
私はここから立ち上がった「戦争反対」「平和を守ろう」「人権を尊重しよう」などの気運が命をもったと思えてならないのです。

どうぶつの問題も同じです。
私はその視点を信じ、やり方も訴え方もたどたどしいので頼りないですが、背伸びしても仕方ありません、自分の非力、不徳を承知で、コツコツとやっていきたいのです。
自分の体力や自身の不徳との闘いをしながらではありますが。


給餌は次回5月22日(23日と書いた日があるのですが、22日にします)に行きます。
だるたにあんさんにおまわしする分含めまして、100袋以上あるといいなと勝手なことを思っています。(ほんとに厚かましくてスミマセン!)

フードの宛先やほしいものリストは→の枠内に記載してありますので、どうかよろしくお願いします。今日もナリワイさま、カワムラさまからフードが届きまして、大変感謝しております。
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