約328万キロ平方メートル(日本の約8.8倍)の面積を持つインドは東西南北の地方に分かれる。
ばかでかい国土を真っ二つに割るように走る列車があってそれは北と南の主要都市を結ぶ寝台列車なんだよね。
そのときの話し。
国土のうちたった8パーセントしか森林がないインドでは、深刻な大気汚染が問題になっている。
動物や自然が多い国だから星もさぞ綺麗なんだろうなーと思って見上げた星空は、その日が曇りだったせいもあるけど、とても綺麗なんて言えるものじゃなくむしろ冬の東京の星空の方が数倍、風情があった。
でも、インドで見る月だけはとっても綺麗なんだよね。
と思った旅中のエピソードを一つ。
時は、30時間ぶっ続けで寝台列車に乗ったあの日の夜。
軽く何千キロは移動したであろうコルコタ~チェンナイ間の列車の中。
列車の等級は3等で窓を開けないと熱さで干からびてしまいそうな熱帯夜でした。
気分は正に沢木耕太郎の『深夜特急』の世界。
http://www.eurus.dti.ne.jp/~hiroya/midnightexpress.htm
盗難を危惧して10キロのバックパックを枕にする。
更に貴重品の入ったセカンドバックを抱きしめなが寝ようとしてました。
しかし色々な感情が邪魔をして眠りにつかせてくれない。
明日の夜ちゃんと目的の駅に降りれるだろうか?
(アナウンスも表示もあまりない、目的の列車に乗るのも一苦労)
アイスピックを腸の中でかき混ぜたような痛みの腹痛が再発しちゃったらどうしよう?
(ヴァラナシ~コルコタ間で死ぬかと思うぐらいの腹痛を経験済み)
まじでテロとかあったらどうしよう。。。
(2週間前に目的地の地方でテロがあったと情報収集済み)
でももう少しで、ヒッピーの楽園ゴアに着く!
(一年次から行きたい願望があった)
なんか考えてみるととんでもない所に来ちゃったな・・・
(毎日が冒険でした)
なんて90パーセントの不安と10パーの期待を感じながら、
ゴロゴロ寝付けずに寝返りをうっていた。
(寝台列車に寝返りうてる広さはない)
3段ベットの隣で寝てるはずの、2年次からの旅仲間、『マサキ』もモゾモゾ動いて寝れない様子。
マサキ『んあ~眠れない・・・』
今回が初海外の『ヒュウゴ』は3階の良い席で熟睡中。
カズシ『いや~俺もなんだよね。全然寝付けない。』
マサキ『外見てみろよ』
カズシ『んん~??』
埃が舞う窓の外を覗いてみると、飛び込んできたのは、永遠に続くんじゃない
かと思うほど長いガタンゴトンと言う列車と線路が生み出すBGMと
真っ暗闇に映し出されたインドの大草原の遠くにポツンと1本生える大きな木。
まるでスポットライトを浴びたように月の光を浴びて光る、大木の上に圧倒的な存在感をかもし出し強烈に光る、まん丸の物体がみえた。
カズシ『えっ!今日満月じゃん!』
なんて、不意を突かれたように出た間抜けなコメントの後
5分間ぐらい言葉をなくして
見入ってしまった。
異国の地で見る自然の景色in midnightに。
カズシ『(ん~。今まじ旅してるって感じ。)』
人生でこんなに月がキレイだと思った瞬間はない。
同時に、俺がサイヤ人じゃなくて良かったともおもった。
電車つぶれちゃうからね
この日記のタイトルの名言を残した、スティーブ・ジョブズもインド放浪旅の経験があるらしい。
http://sago.livedoor.biz/archives/50251034.html
帰国後にもう一度この名言を聞いて、過酷さとぶっ飛び感を徹底して求めた今回の旅に題名をつけるにはぴったりの言葉だと思ったよん。
「Stay hungry, stayfoolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)」