(本日発行の週刊現代7月2日号より引用しました)



「九州・唐津でセシウム検出」


福島第一原発から1100キロ離れた佐賀県唐津市、

市内で採取した松葉から、6月13日、放射性物質を検出した。

検出されたのは放射性セシウム134が1kgあたり0.2ベクレル

セシウム137が同0.25ベクレル。


福島第一原発から噴出した放射性物質が風に乗り、この3ヶ月のうちに、遠く唐津まで辿り着いていたのだ。

信じたくなくてもこれが現実だ。

セシウム137は半減期が30年あり、核実験などの影響で実はこれまでにも検出されていた。


しかし、


「半減期2年の134はこのところずっと検出されていなかった。しかも134は炉心で作られる放射性物質で、玄海原発で事故は起きてないから、どう考えても原因は福島第一原発ということになる」


と佐賀県くらし環境本部では言っている。


近畿大学大学院、山崎教授も、中間地点となる大阪で、それを証明する測定結果を得ている。

風に乗った放射性物質が

タイムラグを置きながら日本全国に散らばり、

降り積もっているのは、もはや疑いようもない事実だ。


その事実を前に、この3ヶ月間、日本政府は何をしてきたか。

懸命に汚染の実態を矮小化し、隠蔽しようと努めてきたのだ。


「福島県飯舘村の線量が高い、と環境NGOグリーンピースが最初に指摘してから、

同村が計画的避難区域に指定されるまで3週間かかった。

また、グリーンピースジャパンが海洋調査に踏みきると、

官邸で”グリーンピースの調査結果にどう反論するか”と会議がなされたと聞き、あきれました」

と、グリーンピースジャパンの佐藤潤一事務局長が語る。


「北海道でも」


北海道や青森については放射能汚染が話題になることすらない。

しかし、6月7日、北海道原子力環境センターより、


「採取した降下物からヨウ素131、セシウム134および137が検出され、海産物のワカメからヨウ素131が検出された」

と、ひっそり発表されている。


線量は微量とはいえ、見過ごしてはならない事実。

北海道大学の農場で採取されたホルスタインの原乳からも出た。



「軽井沢でも」


福島第一原発から半径約250キロ離れた軽井沢の地点の土壌中セシウム137濃度を、同心円に沿って調べた。


軽井沢は9760ベクレル/㎡で、茨城や埼玉より高かった。

群馬の高崎と長野の軽井沢の間には二度上峠(1400m高)や碓氷峠(1000m高)があるにもかかわらず、

数値は前者が9660ベクレル、後者が9790ベクレル。


原発から遠くはなれ、山岳を間に挟んでいるからといって、

自分の住んでいるところに放射性物質が飛んでこないと安心するのは早計だ

(北大大学院・稲沼教授)


「東京では」



一般人の安全基準はあくまで年間1ミリシーベルト/時です。


この日、スタートした講談社ビル(文京区)前では0.22マイクロシーベルトを示した。

銀座1丁目交差点 0.20,

豊洲駅前 0.24

池袋 0.14

新宿 0.15

渋谷 0.16

品川 0.15

東京 0.15

江東区砂町再生センター正門前 0.28

江戸川区葛西水再生センター北門前 0.30

葛飾区金町浄水場正門前 0.38

上野動物園のゲート前 0.28

皇居前 0.20

国会議事堂前 0.1


北上するにつれて数値が如実に上がっていく。


葛飾区水元公園 0.53


今回の調査では10回前後計測して平均値をとっているが、

この水元公園側溝の平均計測地は0.63

だった。


足立区役所前 0.44

足立区ベルモント公園 0.32


東京東部がこれだけ線量が高いのだから隣接する千葉県西部も同じく汚染されている可能性が高い。


松戸市公園 0.43~0.55

流山 移動中の全域0.3以上を示した ,0.58も、最高値(公園内)2.12

柏市 0.4,

0.5,

1.08

など


最高値こそ流山が上だが、全体としては柏市の方が高い値だ。


これから内部被曝の問題も出てくるので、外部被曝は上限が0.19でも高い(武田教授)

柏、流山両市民に避難の必要性がある(武田教授)


日本における通常時の線量は0.1マイクロシーベルト/時以下であり、

0.19が安全かどうかの重要な判断基準になる、という原則を心に留めてほしい・・・・後略



「放射性物質は県境を越えて日本中に広がっている、いや、国境さえも軽々と越えて世界中に広がっています。

もはや地球上に、この汚染から逃れられる場所はないのです。

放射能は目に見えないし、感じることも出来ません。

だからこそ、行政はしっかりと線量を計測し、知らせなければならない。

そして我々はどこにいようが、その数値に注意を払わなくてはいけない。


3・11を境に、世界はそんな場所に変わってしまった。

そして、我々は、そこで生きていくしかないのです」

(京都大原子炉実験所・小出裕章氏)


以上は週刊現代7月2日号から引用させていただきました。



今日からウイーンでIAEAが始まりました。

原発を推進するために作られた会議という性格上、

脱原発の方向に話が進んでいくとは私には思えません。


東電福島第一原発2号機もどうなるか。

いやいや、それどころでなく、4号機が非常に懸念されます。

そのうち、後だしで出てくるような気がしてなりません。