おはようございます。
鹿山です
バーにはなくてはならないトニックウォーター。
近年多種多様なトニックウォーターが販売されカクテルにも幅が広がってる今日この頃。
近年世界のバーシーンでは古典カクテルが再現されスピークイージーのBarスタイルができるなどある種の原点回帰的な現象が起きてます。
色々な古いものが復刻されてるのにバーでの使用頻度ナンバーワンのトニックウォーターが復刻されないのは不思議。
なので1800年代のトニックを再現してみる。
材料はこちら
オレンジ、ライム、レモン、レモングラス、オールスパイス、カルダモン、
砂糖、塩、キニーネ
ちなみにキニーネですが、日本だと使用制限が厳しいです。日本のサイトで【キニーネ】と検索すると怖そうな書き込みがたくさんありますがみんなフワフワしてて明解がないです。
ただこの方の日本に現在輸入されているキニーネ入りトニックウォーターについての書き込みは非常に参考になりました。
http://s.webry.info/sp/hibihima.at.webry.info/200802/article_1.html
でも自分が知りたいのは個人でのキニーネの取り扱いなので厚生労働省薬事課の食品安全部と化学物質安全対策室の二つにお電話して聞いてみる。
色々な人にたらい回しにされたけどようやくプロフェッショナルな人に代わってもらって答えを頂けました。
内容がかなり細かすぎ長くなるのでキニーネの取り扱いについて簡単に省略しますと
①元々日本に出回ってたものなので現存するものは自家消費なら個人の裁量で大丈夫とのこと。
②ただ第三者への流通は禁止。
因みにキハダやセンブリも薬のカテゴリーに入っていて医師でないと販売できないみたいですね。
でもキハダもセンブリも田舎の道の駅で普通に売られてる。
曖昧な部分もあるみたいですね。
でも第三者への流通が禁止なのでベンフィディックではお出しできないですが知的好奇心で自家消費として19世紀のトニックウォーターを再現してみる。
その前に前置きで簡単ですがトニックウォーターとキニーネ、及びジントニックの歴史について。
キニーネの原産はペルーで17世紀に植民地より入植したスペイン人がquinaquinaの樹皮がマラリアに効くことを発見しそれをさらに1800年代初頭にフランス人の化学者が合理的にキニーネの成分を抽出する事に成功!
工場が設立。大量生産へ。
当時マラリア大発生地域だったイギリスの植民地インドへ大量に投入!
そしてキニーネが南米で枯渇してオランダ人がキニーネの種をスペイン人から盗んで当時オランダの植民地だったインドネシアで大栽培。
当時オランダの繁栄はキニーネのおかげだとも。
そして時は進み
第二次世界大戦で日本軍がインドネシアを制圧。
日本軍もキニーネ農園をGET♩
戦時中はこんなものもありました。
オランダを追い出してキニーネが枯渇した連合軍は今度はキニーネをアフリカで栽培。
フェバーツリートニックのキニーネはたしかアフリカ産だったような。
何気にキニーネは世界一周してるんですね
話しは戻って
初期型はキニーネ抽出物を水で割って飲んでたが、飲みやすくする為に砂糖が入り、爽やかにする為にライムが入り、ソーダになり、ついでにジンも入れたら抜群だったので1820年代にはもうジン、ライム、砂糖、ソーダ、キニーネの組み合わせはイギリス人の将校達に飲まれてたようですね。
そこでさらに現地の素材であるレモングラス、カルダモン、オールスパイス、柑橘類の皮で風味と味付けをし、砂糖を入れて甘くしたトニック水が出来上がっていました。
いわゆる商業用の炭酸入りのトニックウォーターは1870年代にはシュエップストニックウォーターがイギリス国内で発売。
鹿山が個人的に作ってみたいのは1870年以前のトニックウォーター。
なので再現してみる
柑橘類やレモングラスを細々します
スパイスやキニーネをゴリゴリゴリゴリ
そして鍋でグツグツグツグツ
できた
それをさらにガスを充噴
ブォンフォン
そしてジンとライムもいれて完成♩
1870年以前のトニックウォーターで作る古典的ジントニックの完成♩
初期型ジントニックはこんな色だったのではないか
(注)
あくまで自家消費用として作りましたのお出しできないのであしからず。
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