「全身が辛い、疲れている」という40代の女性が渋谷からお越しになりました。
お身体に触れると確かに、全身ががちっと固まって、軽く揺らしてみてもあまり反応がありません。
こういった方には、強い刺激が必要だと思われがちですが、実は逆効果です。ピンポンとで刺激を与えるより、全身に込められた力＝緊張を溶いていくことがリラックスを生むのです。
その日はホリスティックボディワーク（現在はとろけるボディヒーリング）90分コース。
お背中に触れて少し経つと、まるで潜水から上がってきたかのように、深く、強く、ゆっくりとした呼吸が始まりました。それを合図のように、全身をつなげて、流すストロークをたくさん行うと、少しずつ身体が柔らかく、ゆらゆらと動きも出てきました。エネルギーが流れ出すのを感じながら、セッションを続けました。
セッションが終わると、お客さまの第一声は「呼吸が･･･すごく楽になりました。深い呼吸ができるようになりました」。ベッドに寝たままの状態でそうおっしゃいました。
私たちは普段、緊張したり我慢したり、ストレスを感じていると自然に呼吸が浅くなります。それは、何かを感じないようにする一種の防衛反応でもあります。ところが呼吸が浅くなることで、身体が萎縮し、固まり、余計にストレスを抱え込むことも多いのです。
呼吸がリラックスすれば、身体も自然にくつろぐ。お客さまはその事実に驚かれていました。自分の固いコリやたまった疲れを取るには、相当強い力が必要だと考えていたそうです。