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米国株、大幅に反発 ダウ平均1万ドル回復、エネルギー株が急伸



10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発した。

前日比273ドル28セント(2.8%)高の1万0172ドル53セントと、3日 以来1週間ぶりに終値で1万ドルを回復した。

中国の5月の貿易統計を受け、世界景気の先行き不透明感が後退したとの見方が広がった。

ユーロが対ドルなどで 上昇し、投資家が運用リスクを回避する動きも一服した。

ダウ平均の上げ幅は今年3番目の大きさだった。

 

ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は59.86ポイント(2.8%)高の2218.71で終えた。

 

中国の5月の貿易統計は、輸出入ともに前年同月比で大幅に増えた。

世界景気の先行き不透明感が後退したと受け止められた。

朝方発表の週間の米新規失業保険 申請件数は3000件減の45万6000件で、

市場予想(45万件前後)をわずかに上回ったが、「米景気の回復基調に変化はない」との指摘があった。

 

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、政策金利の現状維持を決めた理事会後の記者会見で

ユーロ圏の国債購入などを当面継続するとの意向を示した。

ドイ ツの連邦憲法裁判所が、同国が総額7500億ユーロのユーロ圏の緊急融資制度に

参加しないよう求める仮差し止め請求を却下。

欧州発の信用不安が拡大すると の懸念がやや後退した。

 

業種別S&P500種株価指数は全10業種が上昇した。

前日に売り込まれた「エネルギー」が5%近く急伸。

「一般 産業」や「素材」、「金融」といった景気動向に業績が左右されやすい業種の上昇が目立った。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約13億 4000万株(速報値)、

ナスダック市場は約20億9000万株(同)だった。

 

JPモルガンが投資判断を引き上げた米油田サービスのベー カー・ヒューズが11%近い急伸。

メキシコ湾の原油流出事故で売り込まれていた同業のハリバートンやシュルンベルジェも買われた。

自社株買いや四半期配当の増額を決めたと発表した食品のデルモンテ・フーズが6%以上の上昇。

 

ダウ平均構成銘柄では最高経営責任者(CEO)の交代を正式に発表 した

建設機械のキャタピラーが5%あまりの急伸で、上昇率首位。

クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや石油のシェブロン、非鉄大手アルコアも大幅 に上昇した。

アップルの新型携帯端末「iPad」利用者の一部の電子メールアドレスが

ウェブサイトを通じて流出したと伝わった通信のAT&Tも買われた。

 

一方、住宅ローン関連の債務担保証券(CDO)販売に絡み、

米証券取引委員会(SEC)が新たに調査を始めたと伝わった金融大手ゴールドマン・サックスが

大幅に6日続落。過去1年(52週)の安値を更新した。

                                       (日経新聞マネー 6/11 6:50)