インフレ率、総合のECB・中国人民銀行VSコアのFRB
7時33分配信 フィスコ
先週末15日のドル・円相場は、東京市場では、83円78銭から83円01銭まで軟調推移。
欧米市場では、82円98銭から83円44銭で推移し、83円10銭で引けた。
中国人民銀行のインフレ目標は3.0%以下であり、
中国政府は物価上昇が社会不安に繋がらないようにインフレ抑制に取り組んでいる。
中国の3月の消費者物価
指数上昇率は前年比5.4%の上昇となり、1月と2月の+4.9%から加速したことで、
中国人民銀行は昨年10月以降7度目となる預金準備率の引き上げを
発表した。
欧州中銀(ECB)のインフレ目標は2%未満であることから、1.8-1.9%程度が許容される上限と見なされている。
ユーロ
圏の3月の消費者物価指数(HICP)は、前年比2.7%の上昇となり、
2月の+2.4%、1月の+2.3%に続き、上限と上回っていることで、今月の利上げにつながっている。
しかしながら、消費者物価コア指数(除く食料・エネルギー)は、3
月が+1.5%、2月と1月は+1.3%の上昇にとどまり、イン
フレ目標を下回っている。
米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標は2%程度と目されているが、
インフレ指数であるコア個人消費支出
(PCE)価格指数は、2月分が前年比0.9%の上昇、
総合指数も前年比+1.6%で目標値を下回っている。
3月の消費者物価指数は、総合指数は前年
比+2.7%で目標値+2.0%を上回っているものの、
消費者物価コア指数(除く食料・エネルギー)は、前年比+1.2%となり、目標値を下回っている。
中国人民銀行や欧州中銀(ECB)は、原油価格などの上昇を重視した、
「総合」インフレ率の上昇を受けて金融引き締めに踏み出しているが、米連邦準備理事会
(FRB)は、
原油価格の上昇を無視した、「コア」インフレ率がインフレ目標を下回っていることで、量的緩和を継続している。
ドル・円の下サイドには、83円00銭には本邦準公的機関投資家と噂されるドル買いオーダー、
82円50-70銭にもドル買いオーダーが控えているが、
82円00銭を割り込むとストップ・ロスが控えているため要注意となる。
本日18日のドル・円は、本邦準公的機関投資家のドル買いと円キャリートレードの手仕舞い
との攻防を見極めることになる。