NY円、ギリシャ格下げでユーロ下落
22日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、
前日比35銭円安・ドル高の1ドル=93円45~55銭で取引を終えた。
ギ リシャの財政懸念を背景に売り先行で始まった米株相場が上昇に転じたため、
米国債相場が下落(長期金利が上昇)。
日米の金利差拡大に着目し円を売ってドル を買う動きが優勢になった。
米企業業績の改善期待が強いうえ、
オバマ米大統領が講演で金融機関に対し過度に厳しい姿勢を示さなかったと受 け止められたため、
同日の米株相場は底堅く推移した。
投資家のリスク回避姿勢が後退するとの見方から安全資産とされる米国債が売られ、
長期金利が上昇して 円売り・ドル買いを誘った。同市場の円の安値は93円62銭、高値は92円80銭。
円は対ユーロで続伸し、前日比50銭円高・ユーロ安の 1ユーロ=124円25~35銭で終えた。
欧州連合(EU)統計局が発表した2009年のギリシャの財政赤字の国内総生産(GDP)に対する比率が
13.6%と、昨年11月時点の見込み(12.7%)から悪化した。
同国財政の厳しさが改めて意識され、ユーロ売り・円買いを誘った。
米格付け会社ムー ディーズ・インベスターズ・サービスによるギリシャ国債の格下げ発表も、
ユーロのマイナス要因だった。
ユーロは対ドルで6日続落。
前日終 値の1ユーロ=1.33ドル台後半から1.33ドルちょうど近辺に水準を切り下げた。
ギリシャ財政赤字のGDP比率や格下げの発表が、対円同様に対ドルで もユーロ売りの要因になった。
ユーロは一時1.3257ドルと、昨年5月以来の安値を付けた。
一方、この日のニューヨーク市場のユーロの高値は 1.3353ドル。
(日経新聞マネー 4/23 6:29)