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米国株3日続伸、ダウ1万1000ドル台回復 ギリシャ支援策など好感


12日の米株式相場は小幅ながら3日続伸した。

ダウ工業株30種平均は前週末比8ドル62セント高の1万1005ドル97セントと

2008年9月26日以来ほぼ1年半ぶりに1万1000ドル台を回復した。

欧州連合(EU)がギリシャ向け資金繰り支援策の具体的内容で合意し、

欧州財政 問題への懸念が和らいだ。

企業のM&A(合併・買収)の動きが相次いで伝わったことも株式市場への資金流入が続いている

との見方につながり、投資家の買い を誘った。

 

ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は同3.82ポイント高の2457.87

と08年6月19日以来の高値で終えた。

 

EUは11日に最大300億ユーロ規模のギリシャ支援策で合意。

ギリシャの資金繰り懸念が後退したことで、欧州圏の景気の先行きに対する警戒感も薄らいだという。

 

米電力大手のマイラントコーポレーションとRRIエナジーは11日に年内をメドに合併すると発表し、

両社の株価は大幅高。米メディアが身売り先を探すために動いている

と報じたスマートフォン(多機能携帯電話)大手のパームも急伸。

M&Aの活性化に対する期待も投資家の買いを誘った。

 

もっとも、米主要企業の先陣を切る非鉄大手アルコアの2010年1~3月期決算発表を取引終了後に控え、

高値圏では利益確定売りが出た。

ダウ平均は大引け前に下げに転じる場面があった。

 

業種別S&P500種指数では、全10業種中6業種が上昇した。

「金融」や「公益」、「IT(情報技術)」の上げが目立った。

一方、「素材」や「ヘルスケ ア」などが下落した。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億8000万株(速報値)、

ナスダック市場は約20億1000万株(同)。

 

クレディ・スイスが投資判断を引き上げた通信系半導体大手テキサス・インスツルメンツが3%上昇した。

米ウォールストリート・ジャーナル紙が住宅ローン関 連の信用リスクを取引する

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)解消に伴う損失を計上すると報じた

保険大手アメリカン・インターナショナル・グルー プ(AIG)も買われた。

 

1~3月期の税引き前利益が少なくとも25億スイスフランになるとの見通しを発表した

スイスの金融大手UBSも高い。

アナリストによる投資判断引き上げが伝わった建機大手キャタピラーは2%超上昇し、

ダウ平均採用銘柄で上昇率首位。決算発表を控えたアルコアも上昇した。

 

一方、UBSのアナリストが投資判断を引き下げたのを嫌気し、

住宅建設などに使う木材大手の株価が下落。

ウェアーハウザーが下げ、同業のルイジアナ・パシ フィックも売られた。

ダウ平均採用銘柄では映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーが安くなったほか、

化学大手デュポン、保険大手トラベラーズが売られた。

                                      (日経新聞マネー 4/13 6:45)