●iPadの利用シチュエーション12の考察(後半) | カワシマンのこころざし

●iPadの利用シチュエーション12の考察(後半)

前回につづき、わたしなりのiPadの利用シチュエーションについて、学校・ビジネスシーン・高齢者などに向けて考察を進めたいと思う。


<9>学校での勉強ツールとして

検索できて画像・動画で結果を得られる。それを元にレポートを書き、それをメール添付して送信できる。小中学校での利用も可能となり板書する時間の浪費を省き観察し考察することに時間をシフトできると考えられる。ここが(業務仕分けでカットされた)電子黒板とは違うところではないだろうか。利用価値が2乗倍に膨らむはずだ。

動きや音と融合された情報は脳が3次元で記憶してくれるため効率的である。電子黒板をうまく使った学習塾も登場しIT利用教育の効果は証明されつつある。パソコンをワープロとしてしか使っていない先生達はいかに五感に訴える教材を作って子供の脳に叩き込むのかの工夫が必要とされていく。そのためには「教材作成アプリ」は必要だが、子供達に背を向けて板書する時間を削り、口を見せて顔を見合わせての説明の時間を増やせることが重要になっていくと考えたい。教科・単元によるだろうが板書の必要のないケースには是非とも利用したい。


高校・大学では板書内容をデータで配って次の段階として理解・分解・応用などにうまく使えないだろうか。青山学院大学が iPhone を配って、出席管理・授業動画配信・講義資料配布・ミニテストの実施その他いろいろ展開をしている。これがテストケースとは言え効果は絶大だと考えられる。授業以外の時間に資料閲覧の機会を提供し学問の探求を深めることに違いない。


 
<10>ビジネスシーンでは

さてビジネスのシチュエーションではどうだろう。WiFi接続してSkypeが出来てしまうのであれば、内線電話機の購入が不要となる。また、メール・検索・ドキュメント作成(資料・企画提案書・見積書・請求書など)ができてしまうのだから、専用DOCに立ててBluetoothキーボードを接続すればそれなりに現状のパソコンの代用が出来てしまう。

マルチタスク制御がどこまで施されているのかによってブラウザから提案書に簡単にコピペすることができないことも考えられる。早い段階でAppleはマルチタスク環境の提供を余儀なくされると考えたい。

またノートブックを利用してのプレゼンによく出会うのが視認性が低いため1対1以外のケースでは煩わしいことが多い。iPadであれば4~5人が問題無く読み取れるように視野が確保されているためかなり重宝する筈で、セミナー講師などにとっても文字情報以外であればちょっとしたツールになり得る。



<11>GoogleOSタブレットとの比較

iPad は iPhone App や iWorks を利用できるタブレットコンピューターである。競合となるのは「GoogleOSタブレット」と考えられる。こちらはgoogle Chromeブラウザを通してgoogleの提供する数々の無料コンテンツを使い倒すことができるため、現状でフルに活用している人にとっては便利な端末だろう。しかしゲーム、テレビ、音楽鑑賞の機能や無数のiPhoneアプリから享受できるメリットを持つiPadと比較するのは難しい。



<12>老齢者の利用の可能性

Macのユーザーインターフェィスの使い勝手は、ワンボタンマウスありきで発明した時からそのコンセプトはほとんど変わっておらず、説明なく操作ができる点である。おそらく iPadの操作性はパソコン習得に苦労しあきらめたような人を「直感的な操作」で助けてくれるに違いない。

最初のiMacが出た頃からアップルは梱包している箱のデザインに凝り、以前購入時に搬入したのを見た近所の人から後日「iMac買ったでしょ!」と声を掛けられたことがあるくらいだ。ところが、いわゆる「それとわかる箱」を主張してきたのに、読んでわかるだろう分厚い取扱説明書は同梱していない。ほとんどがイメージだけで伝えるような「LANケーブルを繋いで電源を入れるだけ」的な数ページの説明だけだ。たとえばiPhone添付の説明書は「メール設定の仕方」など16項目のみについて画像付きながら200~300文字程度の説明だけ。

このことは以下3点の効果をもたらしている。

・操作が簡単だろうと思わせる効果
・紙の説明書がアプリの進化により記載情報に乖離が生じることを避ける効果
・実際に操作にすぐに慣れることに驚く効果


また介護の現場というか高齢者の一人暮らしのシチュエーションにおいて、FAX/新聞が届いても郵便受けまで歩かなければならないが歩くことが容易でないことが想定される。そんな場合に iPadに毎朝デジタルな新聞が届くのはどうだろうか。
高価な地デジ対応TVを購入せずともワンセグチューナーの買い足しだけで、手元でテレビ番組の視聴が可能となり視力の悪くなったたか高齢者にとって一石二鳥の効果をもたらすに違いない。

そしてなんと言っても、もしもの災害時には連絡事項の授受や生存確認情報を発信する上で、小さくてボタン操作が難しい携帯電話や所定の位置まで歩いて移動しなければ利用できない災害用インターフォンなどよりも活躍の幅は大きいのではないだろうか。


以上12のシチュエーションを想定してみたが、何台か購入して配りたくなった。