このドングリは、もしかするとミズナラ?! | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

今朝はどんより曇り空。肌寒くて冬の気配が濃厚です。それに追い打ちをかけるように日の出も遅くなって、5時半に起きるとまだ暗く、出かける6時過ぎにようやく明るくなります。真っ暗な中を出かける日もそう遠くはないのでしょう。

さて、ここは観世音堂の境内。庭の落ち葉を掃き集めてたき火をしたあとです。


よく見ると2種類のドングリが混ざっています。
左の長細くて茶色のドングリは毎朝太極拳広場で見ているドングリなので、すぐにわかりました。コナラです。ところが右のずんぐりした焦げ茶のドングリはこれまで見たことがありません。


なんだろう?と家に持ち帰り、図鑑で調べたところ、どうもミズナラのようなのです。
ミズナラはオオナラともいい、コナラに対しての呼び名ですが、コナラが関東以西の低地で見られるのに対して、ミズナラはブナ同様、九州から北海道の雪が積もるような寒冷地しか生えないのがふつうなのです。
もちろん祖師谷公園にもありません。それがなぜここに!


木を見ることができれば、葉にも特徴がありわかるのですが、これが見上げるほどの高さで何本も重なっていてどの木から落ちてくるものか全く見当がつかないのです。


ではどこかにドングリの芽を出した幼樹はないかと探すと、これですね。でもコナラとミズナラは葉の形も似ているのです。違いは葉柄(ようへい)の長さがコナラは葉柄が数㎜あるのに対して、ミズナラはほとんど葉が枝から直接出ていて、葉柄がほとんどないのが違いです。
これを見るとほとんどない。


ではコナラの幼樹はどうなんでしょうと、太極拳広場で探すと、ありました。でもこちらも葉柄はほとんどないです。幼樹ではわからないのでしょうか?


それならば、ミズナラらしきドングリとコナラのどんぐり、この2種類のドングリを地面に埋めて観察していけばわかるかも知れません。というわけで、プランターにまいてみました。


さあ、結果はどうなるでしょうか?


ふと思ったのですが、このミズナラらしきドングリが落ちていた観世音堂と薬師堂の境内は350年以上の歴史があり、かつてはこの地もかなり寒かったということは考えられますね。現在の温暖化が進んだ気候では到底ブナやミズナラは生育することは不可能だと思うのですが、かつてはできたのかもしれないです。