JR東海を相手取っての摂津市の裁判の傍聴に行ってきました。

JR東海が摂津市との協定を破って、新幹線鳥飼基地内の僅かな茨木市域で、地下水汲み上げを行うことの中止を求めて、摂津市が起こした裁判です。

本日は最終 の口頭弁論。

摂津市側は、過去に実際に地下水汲み上げによる地盤沈下が起こったこと。
当時、新幹線公害として、たいへんな問題となり、住民運動が広がり、議会でも取り上げられ、市が旧国鉄に申し入れをして、旧国鉄も地下水汲み上げが地盤沈下の原因であることを認め、汲み上げ中止を行ったこと。
地下水汲み上げを止めたら地盤沈下が収まり、今後汲み上げをしない協定を結んだこと。
JR東海になってからも協定を結んでいること。協定には法的根拠があること。
JR東海は、災害時のためと言うが、平時から汲み上げる計画であり、経費(水道代)削減のために、市民を地盤沈下の危険にさらすことは許されないこと。
JR東海は、新幹線基地に僅かある茨木市域での汲み上げだから摂津市との協定は及ばないというが、摂津市の地盤沈下の危険は同じであり、日本を代表する企業がこんな脱法的なやり方をするとはとんでもないこと。
市民に納得のいく判決を出していただきたいこと。
ーを主張しました。

対して、JR東海側は、大震災など災害時に断水が起こる可能性が強いため、地下水との水源二元化が必要であること。
病院や駅などでも行っていること。
本件で地盤沈下が起こることはない、専門家も言っているし、モニタリングもしているし、大阪府も許可をしていること。
抽象的な危険の話は文明の否定であること。
摂津市も太中浄水場で地下水汲み上げていること。
協定には違反していないし、協定そのものに法的根拠はないこと。
ーなど主張しました。

JR東海側は、実際に起こった過去の問題に一切触れず、地盤沈下を「抽象的危険」と言い放ちました。
そこに暮らす市民の生活に思いを馳せるという姿勢が全くなく、「安全神話」を振りかざす大企業の傲慢な論理です。リニア新幹線問題に対してと同じ姿勢だと思います。

太中浄水場の地域と鳥飼地域では地盤の状態が全く違うことは、少し調べればわかることなのに、敢えてそれをいっしょにして、摂津市が矛盾しているように言うことも、姑息なやり方だと感じました。

地域の代表で傍聴に来ておられた方が、裁判終了後に、思わず怒りの声を上げておられました。

9月2日に判決が出ます。
市民に納得のいく判決を!
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