建設通信新聞社サイトより転載


東京都中央区で計画が進む「勝どき東地区第一種市街地再開発事業」が、2015年度にも着工する見通しだ。勝どき東地区市街地再開発準備組合が作成した環境影響評価書案で明らかにした。都心エリアと臨海副都心エリアの結節地域で、都心を支える居住機能を強化した魅力的な複合市街地の形成に向けた事業が本格始動する。

 対象区域は、都営大江戸線勝どき駅至近で北東側を都道304号日比谷豊洲埠頭東雲町線(晴海通り)、南東側を朝潮運河、南西側は新地杵島運河に囲まれた中央区勝どき2-18、4-5、6、13、14。事業区域面積は3.88ha。エリア内には、月島倉庫を始め、東京消防庁などが所有する土地、建物が立地している。

 「快適な住環境を有する都市型住宅の供給」「業務・商業・生活支援施設等の高度複合化施設の形成」「水と緑が豊かにネットワークされた複合市街地の形成」を基本構想とし、対象区域をA、Bの2地区に分け順次整備する。

 新月島川側に住宅と公共公益施設のA1棟(地下2階地上56階建て延べ約17万9000㎡、最高高さ約195m、約1660戸)、住宅・事務所・商業・公共公益施設のA2棟(地下2階地上44階建て延べ13万1000㎡、最高高さ約165m、約860戸)、消防署のA3棟(3階建て延べ約1200㎡)、晴海通り側に住宅・商業施設のB棟(地下2階地上29階建て延べ約5万1000㎡、最高高さ約106m、約500戸)と4棟総延べ約36万2200㎡規模の施設を建設する計画だ。

 朝潮運河沿いに輸送拠点となる防災船着き場のほか、広域避難場所となる晴海への人道橋、防災広場や屋内避難スペースなど、勝どき地区を守る防災基盤を整備する。A1・A2棟には保育所や高齢者福祉に寄与する施設、地域交流の場となる集会施設やスポーツアリーナなどを設けることで、地域の生活を支援する複合拠点づくりを目指す。水辺空間の創出に向けて、新月島川と運河沿いに親水プロムナードを設けるほか、勝どき駅からの地下連絡通路と出入り口を新設することで利便性向上を図る。

 A地区は15年度から準備工事を開始し、66カ月程度で完成する予定だ。その後B棟の建設工事に着手し、全体完成は25年度を予定している。

 事業協力者として三井不動産レジデンシャル、鹿島、清水建設が参画しており、設計などのコンサルタント業務は日本設計が担当している。