さて、保山で一泊したあと、朝8時に出発しました。
空港もある広々とした保山の盆地をぬけると、山道に入ります。
古くから大官廟・小官廟などの地元の神を祀る廟のある、大官市ぬけますと、高速道路は怒江の渓谷に向けて一気に下ります。赤土が剥き出しの、緑少ない丘陵地帯です。
かつて大戦中ビルマと雲南を結んでいた交通路、ビルマルートは、ここから蒲縹という宿場町を通って、施甸県に向かい、さらに怒江に出て恵通橋を渡りました。この恵通橋の鉄鎖橋を造ったのは、蒲縹出身の富豪で、ビルマ華僑の梁金山でした。梁金山はビルマ北部の銀山で財をなした人物です。方家寨に墓があります。
怒江は海抜800mくらいで、雨季だけに増水した泥水が滔滔と流れていました。
ここで高速道路は終わり。すぐにタイ族の村に出ます。仏塔を目にすると、はや異国という印象です。怒江の岸辺はサトウキビが風そよぎ、竜眼がたわわに実ります。芭蕉林も目に付きますが、ここの名物の芭蕉の実はあくまで甘く、私の好物です。
怒江沿いから切り立つ峠道のいろは坂を10数キロのぼり、馬蝗箐で龍陵県に行く道と分かれていよいよ高黎貢山の峠越えです。
霧降る原生林の中を慎重に進みます。