○●○●○●○●○●2014.4.13.



応援団 NO.167  進級おめでとうございます



子どもは変われる…!サクラ02


新しい春を迎えると、いつも思い出す子がいます。

私に「子どもは変われる」ということを

教えてくれた、当時小学校2年生だった子です。 


新しく受け持つクラスが決まった時、

「去年1年生の時、ちょっと元気すぎて」と

前担任の先生から聞いていた子です。


体育館へ入ってからその子のことを見ていたのですが、

やっぱり前の子や後ろの子に

ちょっかいをかけて笑っては、そわそわしていました。

「なるほど元気やな」と私は思いました。


始業式の時の担任発表の後、

受け持ちのクラスの列の前に立って

ひとりひとりの顔を見ながら

列の後ろへ歩いて行きました。

どの子も「どんな先生かな」という顔で私を見上げていました。


ところが、その子は

前を向いてピシッと気をつけをして見せてくれました。

「よし!」と思って私は、

「始業式が終わるまでその姿勢できちんとできるかな」

と耳元でいいました。

ご想像通り、その子は、

始業式が終わるまでピシッとした姿勢でがんばりました。


式が終わってすぐに私は

その子のところへ行って

「やればできるやないか!」と

頭をなでながら思いっきり笑顔でほめました。

そう言われた時のその子のうれしそうな笑顔!

今でも忘れられません!


それからの、

その子のクラスでの表情が

ぐんと変わったことはいうまでもありません。




今年度、新しい学年になって、

「今年はどんなことをがんばろうか」と、

お子さんと話し合ったということを

おうちのからのメールで知りました。


これは、この時期とても大事なことだと思います。

その「めあて」に向かって

子どもが自分で変わろうとするきっかけになりますからね。

「お母さん!すごい!」とすぐに返信しました♪


高学年になると、

子どももおうちの方も進級ということに慣れてしまって、

なかなかそんな相談もしていられないかもしれません。

体も心も大きくなって、

男の子だと余計しゃべらなくなるかもしれませんね。


でも、子どもの心のなかでは、

きっと何か「今年こそは!」と思っていることがあると私は思うのです。

口に出さない分、それはよく観察していないとわからないことだと思います。

担任の先生や他の保護者の方からあとから聞いて

びっくりすることもあるかもしれませんね。

良いこともそうでないことも。




そのときに

「がんばったね」

「さすが6年生!」

「それは大事なことだね」

「どうすればよいかいっしょに考えてみようか」など、

短い言葉でよいと思います。

良いことはしっかりほめて、

気をつけたいことは

いっしょに、どうすればよいか考えようというかかわりが大切だと思います。


私は、子どもはどの子も、

きっと「いい子」でいたいと思っている、と思っています。


だからこそ、

その良いところを見つけたときは

しっかりとほめてあげたいですね。

低中学年くらいは、ちょっとオーバーなくらいに。

高学年なら、できた・した行為についてだけ、

短く的確にほめる。

それだけで子どもは変われるのです。


ですから、

子どもが、がんばろうとしていることを見逃してはいけません。

そういう姿を

子どもは、見てくれているというだけで

どんどん変わっていけるのですから。


むつかしいことかもしれません。

でも、そのチャンスは、

今の、この年度変わりの時期が一番よくあらわれます。

新しい学年、

新しいクラス、友達、

新しい担任の先生。

この新しい年度変わりに、

子どもたちが一番変わろうとしようとする時期なのです。

この機を逃すわけにはいきません。

子どもの変化に気づいて、思いっきりほめてあげましょう!



「そんなことはわかっているけど」

と聞こえてきそうですが、

自分の子だからわかりにくいことも確かにあります。

私もそうでしたから。


ただ、多くの子どもたちを教室で見ていると、

そういう子どもの変化が、

逆によく見つけられたりするものです。

そういう子どもの変化を見つけようとして見守るのと、

ただ見ているのとでは大きく違ってきます。


ゼロと100くらい違うことでしょう。


そういう

「よいことさがし」の視線で見ていると、

ちょっとした変化に気づくことができます。

そうすると、声をかける言葉が違ってきます。

それは、心がこもっているから。

そして、その心は必ず子どもに伝わります。

言葉の持つ心が伝わるからです。


「ダメでしょ」と言葉だけで、

気持ちのこもっていない言葉は、

子どもにも「気持ちがこもっていないこと」が

ちゃんと伝わってしまうというわけです。(私も反省ですけどね)


子どもからしゃべってこないからといって、

見守ることだけは忘れないようにしましょう。


声かけといっしょで、

何も話さなくても、

そこにあるお互いの空間はあるわけですから。


子どもが何をしようとしているか、

いま何を感じているかを

しっかりとアンテナをのばして聞いてみましょう。

感じてみましょう。


それはそれは時間のかかる作業かもしれませんが、

そのお互いの空間がちゃんと落ち着いていれば、

次に子どもが

何を話したがっているかもわかってきたりします。

そうすれば自然と子どもは

大事なことは話しかけてくるでしょうし、

それに対する大人の返答も前もって用意することができる。


そういう空間づくりは、やっぱり家庭からです。


物理的にむつかしいことも多いでしょうが、

それを意識しているか、

していないかだけでも違ってきますから。




もちろん塾でも

そういう視線で見守っていきたいと思っています。

塾での「空間」もまた違うでしょうから、

そこは「がんばる子」のノートで読み取ってください。

私もできる限りお伝えしていきたいと思います。

おうちでの様子もまた聞かせてください。




今年度もよろしくお願いします。





<参考「応援団」バックナンバー>

★ NO.56 …「進級おめでとう」
★ NO.115…「担任の先生との関係づくりの大切さ」






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