東海岸のストックホルムと西海岸のイェーテボリィを直線で結んだちょうど真ん中辺にヴァードステーナという町があります。
今回はそこにある修道院と建立者、聖ビルギッタのお話です。
北欧からコンニチワ-ビルギッタ聖ビルギッタ(1303ー1373)
ビルギッタは国王を遠縁に持つ家系に生まれました。子どもの時から、神のお告げが聞こえたそうです。
非常に意思の強い女性で、最後にはローマまで出かけて、新しい修道院をスウェーデンに作る許可を法王より獲得します。
亡くなる3年前でした。
北欧からコンニチワ-ヴァードステーナヴァードステーナ修道院
出来上がったのは、ご覧のように立派な建物です。
修道院として経営されるのですが、1595年、カソリックから新教に改宗することを拒んだため、国王に没収されてしまいます。
以来、なんと1954年まで国の管理下にあって、刑務所、女性のための精神病院などに使われていたそうです。
今は綿々と残っていた修道院組織に返されて、尼寺として栄えています。

さて、この建物の中にある図書室には古い書物が非常に多く保管されています。
中にビルギッタの意思を継いでいるミサの方法が残っているのだそうです。

それによると、尼さんたちは大きな声で歌うことを禁止されていた。
また多声音楽、楽器の使用なども禁止だったそうです。
北欧からコンニチワ-楽譜修道院に保存されている楽譜例
さて、修道院の最初の院長はビルギッタの娘、カタリーナでした。
100年後の1498年、カタリーナは聖者に祭り上げられます。
この時6日間にわたる祝いがあり、その時多声音楽も演奏されたそうです。
これがスウェーデンで記録されている最初の多声音楽例です。

さて、次は15世紀になります。