スウェーデン最近のニュース。

失業中の回教の男が職安から実習のためにある工場に送られました。
工場の社長は女性で、この回教の男は現場の男性労働者、職員とは握手して挨拶したのに、女性の社長と握手することは拒否しました。
それで(ではないと工場側は言っている)実習することを断られた男性、職安にもどってきたら、実習を拒否したと言う理由で失業補助金がもらえなくなってしまいました。

北欧からコンニチワ-モザイク・3


スウェーデンには差別対処の事務局があって、職安はそこから訴えられました。
2-3日前に地方裁判所の判決があり、職安は敗訴、男に慰謝料を6万クローナ(70万円強)を払うようにという判決でした。

工場の女性社長「他の人とは機嫌よく握手したのに、私は拒否されて、気分悪かった。でもそれが理由で実習を断ったわけじゃない。うちの現場での仕事はとても重労働で、男はそれだけの体力も経験もないと見たから」

回教の男「宗教上、知らない女性に接触できない。右手を胸に当て挨拶して、なぜそうするのかは説明した」

職安「男は女性社長を完全に無視した。口も利かず、目もあわせなかった。これでは彼が拒否したとしか解釈できない」

なにしろ8人に一人は非スウェーデンの背景を持つ人口構成の国です。
ヨーロッパにはそういう国がたくさんあります。
こんな問題が起こるのは不思議ではありません。
法にたずさわる人たちは、法律上の公正を歌い上げるけれど、国民感情としてはなかなかそうはいかない。
最近はスウェーデンでも国粋主義的な団体に人気が上がっています。
今年の秋は総選挙だけれど、「スウェーデン民主党」というこの団体は今回こそは数議席を獲得し、多数決上の鍵を握るかもしれないと、在来の党は右も左も戦々恐々としています。

北欧からコンニチワ-モザイク・2


私自身、この回教男の問題は、なんともいえない気持ちです。

日本にいたとき、知人のドイツ人に道でバッタリ会いました。
相手はサッと右手を差し伸べた。
はじめて握手を求められた私は思わず一歩さがって、お辞儀をし、双方なんともいえない気持ちになったことがあります。

色々な地域でいろいろな挨拶の方法があります。
握手なんかはまだいいほうで、フランスに行けば左右の頬にチュッチュッとキスされるし(ソ連のお偉方がこれをやってましたね。あ、今もやるか。腹に一物持ったおっさん達がこれをやると、なんかきたならしい)。
スウェーデンでも気の知れあった間柄だと抱擁するし。
エスキモーの世界では鼻をすり合わせるというし(あんまり経験したくない)。
宗教と言うより生理的な反応かなあと思ったりします。

北欧からコンニチワ-モザイク・1


スウェーデンもなかなか大変。