スウェーデンの音楽史は日本ではあまり知られていませんね。
作曲家も有名になっていないし。
フィンランドならシベリウス、ノルウェーはグリーク、デンマークはニールセン。
じゃ、スウェーデンは?と聞くと、ほとんどの人がハテナ・マークになってしまいます。
ちょっと残念。
それで、ごく大雑把なスウェーデン音楽史を何回かに分けて書いてみようと思います。
専門家じゃないので、変なところがあったら、どんどん教えてください。

1)さて、どこから始めようか。
音楽の始まりは、なんて言っても仕方が無いし、大昔はどんな音楽やってたの、と言っても分からないことばかり。
先ずは考証のできることから書いてみます。

スウェーデンで発掘された楽器に牛の角笛があります。
2000年ぐらい前のものだろうと言われています。
形は現代のものとほとんど変わらないそうです。
ネットで探したけど、写真、見当たりませんでした。

北欧からコンニチワ-Kohornこの角笛は2000年前のものではありません。
で、これはスヴェンのコレクションの中から。

北ヨーロッパには銅のトランペット(bronslur)と言うのが発掘されています。
青銅器時代(1700-500BC)のものだそうです。
今までに60本ぐらいが掘り出されています。デンマーク(37本)、スウェーデン(13本)、ドイツ(5本)、ノルウェー(4本)、ラトビア(1本)。
$北欧からコンニチワ-bronslur i Danmark
大抵は上記の写真のようにペアになっています。
非常に精巧に出来ていて、2本のペアは音程が合っているそうです。
多分儀式などに使われたのでしょう。

北欧からコンニチワ-Bronslur
銅のトランペットを吹くバイキングさん。
これ等の楽器はどんな音がしたのかは分かるのですが、どんな音楽を吹いていたかは分かりません。

ところで、銅のトランペットと同じ頃にスウェーデンの西海岸沿いにヘルリストニング(Hällristning) というものがあります。
ヘルは平らな岩盤、リストニングは刻み付けると言う意味です。
つまり、岩の上に船や獣や漁師を掘ったもので、中に銅のトランペットを吹いているところが描かれています。
北欧からコンニチワ-Hallristning
ペアでなく、3人で吹いているのかと思うと、ちょっと離れたところに4人目がいるそうです。

$北欧からコンニチワ-カイサ・ルンド
この人はカイサ・ルンド(Cajsa Lund)さんといって、音楽考古学者です。
発掘された物の中から音楽楽器だったとしても可笑しくない物体を探し出す人です。
この人が作ったCDがあります。
こんな時代の楽器、音楽がどんなものであったか推測して作った、面白いCDです。
Musica Sveciae(MSCD101)、Fornnordiska Klanger という題です。