シャボン玉
30年近く前、
ぼろアパートの、トイレもなく窓もちゃんと閉まらない一室で、
チャンネルをガチャガチャ回していてふと目にとまった番組。
舞台中継だった。
芝居かと思ってみていたら急に歌が始まった。
♪ブレーンド♪とか言ってて、
いつの間にかまた芝居になってて、
気づいたら嗚咽していた自分。
嫌いだったミュージカルを認めた瞬間だった。
こんなにも自然に歌と芝居が両立している、というよりも、芝居が膨らんで歌になり、また芝居に戻っている!
これがミュージカルというものならば、機会があればいつかやってもいいなと思った。
この思いがあったからこそ、97年のレミゼのオーディションを受けることになったのだった。
そんな自分の人生を変えてくれたテレビ番組。
そこでやっていた演目。
耳にこびりついている裕子さんの声。
新聞をとっていなかったから本屋に行ってテレビ雑誌を立ち読みして、作品名と主演の方の名前を調べた。
自分にすごい影響を与えてくれた作品なのに、
未だに客席でちゃんと観たことはなかった。
一度だけテレビで、しかも途中からしか観たことがなかった。
クリエでの公演もあっという間に完売。
半分諦めかけていたけど、なんとか昨日観ることができた。
普段劇場前でこんな写真なんて撮らないのに、何の迷いもなく撮ってた。
公演が始まってもしばらくは、本当に初めて観ることばかり。
あぁ、こんなお話だったんだ、こんな前提だったんだと今更ながらにいちいち納得しながら観てたんだけど、
2幕の頭で突然きた♪ブレーンド♪
こんな状況で出てきた歌だったんだっけ💦💦
一瞬で30年近く前がフラッシュバックして、
いきなりマスクの中が鼻水だらけ。
メガネは曇って真っ白。
あの頃の自分はなにかを抱えていて、
そこにこの ♪ブレーンド♪が突き刺さってきたんだなぁ。
きっとあの時の僕はこの♪ブレーンド♪に知らないうちに助けられてたんだろうな。
なにを抱えていたのか全く思い出せないけど、
とにかくあの時僕の心の奥を思いっきり揺さぶった♪ブレーンド♪の衝撃ははっきりと蘇った。
その後ももう釘付けのまんま、あっという間に終演。
裕子さんが一節だけ歌ってくださった佳代のフレーズでまたまた嗚咽と痙攣💦
役者として歩んできて、
昨日また、新たなふたつめの自分の原点を作らせていただいたような気がしている。
今この作品をやってくださってありがとうございました。
そして、当時の出演者の方々も客席におられましたが、
ゼロからこの作品を作ってくださった当時の音楽座の皆さんに心から感謝です。
そのおかげで僕は今役者として歩んでいられます。
Twitterではとてもじゃないけど収まらず、
久しぶりにブログに書き込んだけど、
本当にこの文章でいいのか、表現が変なところもあるんじゃないかとかも思ったけども、
でもやっぱり変に推敲したりせず、
思いのままに書いた文章をそのままアップさせていただくことにしました😅