青山学院大学相模原キャンパスで行われる大学祭「相模原祭」。
その運営を行う青山学院大学相模原祭実行委員会が学祭でのバンド演奏に対して、「デスメタルやヘヴィメタル等のジャンル以外」を募集する旨の「ヘヴィメタル禁止令」を出した。
この「禁止」に対し、メタルファンや学内外のメタルサークルメンバーから批判が殺到。
メタルの定義を教えろ、メタルを聴く年代は幅広くないのか、音楽差別をするな、謝罪と撤回を要求する、などさまざまな意見が寄せられ炎上。
実行委員会はTwitter上で謝罪したモノの、出演バンドの定義は改定されていない様だ。
私は10歳から早30年に渡り、メタルを聴いて来たメタル者だ。
常に心はメタルと共にあるし、実際私の左足股関節にはコバルト合金製メタル人工関節が埋め込まれている筋金入りのメタラーなのだ。
コレが空港の金属探知機でピーピー鳴りまくり、左足に探知機を当てた係員が怪訝な表情を見せる中、必死で「Metal insert me!」と訴える私に、苦笑いの係員だ。
しかし、この記事を書きながら聞いているのはきゃりーぱみゅぱみゅである事は内緒である。
そんなメタル者の私をして、今回のヘヴィメタル禁止騒動は、まあ、どちらでも良い。
...というか、今の大学生はメタルやロックを演るのに、運営側に事前に許可を取って、しっかりお膳立てを頂いてから、良い子ちゃんで演奏しなければならないのか?
大体、禍々しいメタルなど学園祭や多くの人々が聞く場に相応しい音楽で無い事は自明の理である。
サム・ダンがメタル・ヘッドバンガーズ・ジャーニーで検証する迄も無く、メタルは昔から忌み嫌われる存在であった。
運営側が禁止するのも当然だし、それを今更騒いで何になると言うのか?
だからこそカウンターカルチャーとしてアンダーグラウンドの一部ではあるが、メタルは熱狂的な人気を集めて来たし、流行に左右されず永らく愛されてきた。
「ヘヴィメタル禁止令」が敷かれる厳戒態勢のステージ。
小奇麗な格好でアコギを抱え、観客の拍手に笑顔で応える。
爪弾くコードはC。
晴天にドミソが爽やかに響き渡る。
「それでは聞いてください。...くぁwせdrftgyふじこlp;!!!!!!!!!!!!!!!!!」
床にアコギを叩き付け、野獣の様な咆哮を上げる。
アンプ裏から乱入してくる悪魔の様なメタル集団。
地獄の重低音が観客に襲い掛かる。
女は逃げ惑い、子供は泣き叫び、老人は天に昇る。
...しかし、何だ?
身体の底から湧き上がる、この熱い衝動は?
叫びてぇ!拳突き上げてぇ!頭振りてぇ!グルグル走り回りてぇ!
係員の制止を振り切り、地獄の盆踊りさながらの阿鼻叫喚が繰り広げられる。
ショーは終わった。メタルは去った。
旅立つ時が来たけぇの
【日本語訳】メタリカ Metallica - Whiplash
https://www.youtube.com/watch?v=NPvvLkQx1IM
雑草一本残らない焼け野原に累々と横たわる観客たち。
息も絶え絶えの彼らではあったが、しかし!
その顔は一様に満足げな笑みを浮かべていた...。
「So fucking What!?」
それがロック!それがメタルってモンだろ!?
良い子ちゃんなんかしてられないゼッ!
そして、「青学メタル禁止令」と聞き、私は東映映画「徳川セックス禁止令」に想いを馳せていた。
「徳川セックス禁止令」とは、九州唐島藩で突如として色欲に狂った大名が、自分以外は男女のセックスを禁止する「閨房禁止令」の発令に、藩内はたちまち大騒動!なる1972年公開の迷画。
とは言え、単なるエロパロでは無く、封建社会に対する痛快な風刺も効いた深い内容に、バカ映画ハンターと名高い私も唸った名作でもある。
かとぅ