『白鳥の湖』 アリーナ、ヨハン | WITH HOPE!!

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在英14年目、イギリスの生活を愛し、楽しんでいるMiyukiです。
イギリスで細々と演奏活動をしているので、クラシック音楽の話題、日常、イギリスの姿をお伝えしたいと思います。
バレエが好きで、ロイヤルバレエの公演を主に観ているので、その感想も。

ここを読んでくださっているロイヤルバレエファンの方はお気づきかもしれませんが、私は、日本で、イギリスで、とっても人気があるアリーナ・コジョカルの舞台はあまり観に行きません。

 どうやら、私とは相性が悪いらしくて・・・

 それでも、彼女の白鳥だけは見てみたい、と思って2008年にチケットを取ったものの、彼女の怪我で降板。 今回、やっと観ることができました。 私の周りの友達には、『裏切り者、狂った』などなど、散々言われましたが・・・


 『白鳥の湖』 プティパ、イヴァノフ振付、 アンソニー・ダウエル版、 チャイコフスキー作曲


 オデット/オディール: アリーナ・コジョカル

 ジーグフリード王子: ヨハン・コボー


 ロットバルト: アラスター・マリオット

 お后: ジェネシア・ロサート

 

 家庭教師: ジョナサン・ハウエルズ

 ジェネラル/式典長: トーマス・ホワイトヘッド

 ベンノ: ヴァレリー・フリストフ


 パ・ドゥ・トロワ: ラウラ・モレーラ、 ユフィ・チェ、 ホセ・マーティン

 

 第1幕ワルツ: フランチェスカ・フィルピ、ヴァレリー・フリストフ、

          オリヴィア・コウリー、ヨハネス・ステパネク(酔っ払い)、

          ラーラ・ターク、 蔵健太、

          ローラ・マックロック、 平野亮一

 

          エマ・マグワイヤ、ルドヴィック・オンディヴィエーラ 他


 第2幕

  4羽の白鳥: アイオーナ・ルーツ、リヤーン・コープ、ロマニー・パジャック、エマ・マグワイヤ

  2羽の白鳥: フランチェスカ・フィルピ、ターラ・ブリジット・バフナーニ


 第3幕

  お妃候補: ジャクリーヌ・クラーク、ターラ・ブリジット・バフナーニ、ローラ・マックロック、

          ベアトリス・スティックス・ブルーネル、オリヴィア・コウリー、デメルツァ・パリッシュ

 

  スペイン: ディアードル・チャップマン、フランチェスカ・フィルピ、

         ヨハネス・ステパネク、 蔵健太

  

  チャルダッシュ: クリスティン・マクナリー、リカルド・セルヴェラ 他


  ナポリタン: アイオーナ・ルーツ、リアム・スカーレット


  マズルカ: メリッサ・ハミルトン、ラーラ・ターク、ナタリー・ハリッソン、クレア・カルヴェート、

         エリック・アンダーウッド、平野亮一、サンダー・ブロンマート、ジェームズ・バッチャー


 

 アリーナの白鳥は、見かけが元々かわいらしい人ですし、背も低いため、かわいらしい白鳥のイメージ。

 第2幕、パ・ドゥ・ドゥの途中までは、ジークフリード王子に対して、かなりの警戒感を感じました。

 それが段々と解きほぐされるのを見るのは興味深かったです。

 

 彼女のことだから、もっと腕がきれいかしら?と思っていたのですが、白鳥の腕の動きはそこまでではなく。

 多くの方が彼女は音楽性豊か、とか、彼女自身も、音楽と戯れている、とコメントがあったりもするのですが、どうしても、私の音楽性と彼女の音楽性は一致しません。 音楽で遊ぶのはかまいません。 でも、完全に拍がずれるのは、私は苦手です。

 

 黒鳥は、踊りが雑になってしまったのが残念。 最後のフェッテは、足がきちんと横まで回せていなかったので危ない!と思ってみていたら、やっぱり・・・・

 

 今回は、無の状態で観よう、と思って観てみましたが、やはり、私とは相性があまりよくなさそうです。 多くの方が彼女のオーラをほめていますが、私にはそれも感じられませんでした。

 来週、彼女の十八番、と評判高い『ジゼル』を観に行くので、そちらに期待です。

 

 

 ヨハン、踊る、ということでは最盛期を過ぎてしまっていると思いますが、私は彼の演技面が好きです。

 第1幕、パ・ドゥ・トロワの途中での、ベンノとの会話、からかい。 舞台中央で踊っている人がいるから、周りはただ立っているだけ、というのではないのが、ロイヤルバレエの良さです。

 第1幕最初は、結構軽めの男だし、お母さんから、『結婚しなさい』といわれても、本当に嫌な顔をする。

 でも、第2幕でオデットに出会った時、一瞬にして彼女に惹かれていく。


 そして、ヨハンはアリーナと踊ると、踊りも、パートナリングも、演技も、他の人と踊る時よりも何倍も良くなります。 他の人と踊っても、パートナリングがきれいなダンサーですが。


 

 今シーズンのこの『白鳥』の、今までとの違いは、第1幕最後、日が暮れていく途中、白鳥の群れ飛ぶ様子が舞台後方にシルエットで映し出されます。 今までは、白い線のようなものが、ヒューっと過ぎただけでしたが。


 

 第1幕のワルツの群舞は、今日は勢いがありました。 ポロネーズで、ヴァレンティーノとエマの踊りが目立っていました。 


 第2幕での2羽の白鳥の1羽、フランチェスカは、とにかく上体と腕の動きがきれい。 上体から音楽が流れるダンサーです。


 第3幕でのナポリタン、1月22日の初日のマチネ公演で、リアムとエマがこれを踊った、と読んでいたので、見逃した!と思っていたのですが、今回はリアムだけでも見られて嬉しい。

 リアムとアイオーナという、音楽性、キャラクター性豊かな二人が踊ると、非常に合います。

 

 6人の花嫁候補の中では、どうしてしまったの?といいたくなるほど、オリヴィアが良い表情、王子に、「私を見て!」と促すような動作、表情をしていました。 


 

 いつもとは、立ち見のメンバーが違うのも、興味深い。 アリーナファンの人は、アリーナしか観ない、という人も結構いらっしゃいますからね。