バーではいつもカウンター席。

バーテンの技量と、

作られたばかりのカクテルを

一番楽しめる席だからです。


そして、席に座り

必ず最初に頼むカクテルがあります。


カンパリのシェーク。


多くのバーテンに

「カンパリだけですか?」

と聞かれるのですが、

カンパリだけを冷たくシェーク、

これがカンパリを最も美しく変身させた

カクテルだと思います。


カンパリは甘みの中に、

独特の苦味を持っていますが、

それが極限に冷やされることによって、

甘さ以上に心地よく苦味が立ちます。


また、色合いも透き通る赤から

シェークによって

多少ピンクがかった色へと変化します。


赤いドレスをまとった

冷たい瞳に色気を感じさせる

都会的で大人な女性を連想させます。


出会ったその日からこのカクテルに恋をし、

夜は必ずこのカクテルで始まります。


グレープフルーツを思わせる

爽やかな苦味は、

昼と夜とを分かつ扉となります。



Mal WaldronLeft Alone」のような

都会的なジャズが

このカクテルには合うと思います。