Springbank

キャンベルタウン・モルトのウィスキーです。

スコッチの一種なのですが、

スコットランド西部キンタイア半島の先端

キャンベルタウンで作られる

モルトウィスキーを特別に

キャンベルタウン・モルトと呼びます。


かつてウィスキー作りで栄えたこの町も、

米国の禁酒法時代に安価な酒を大量に作り、

米国へ輸出し、稼ぎを増やしていました。


しかし、それらの粗悪なウィスキーは

結果としてキャンベルタウンの名前を汚し、

落とすこととなってしまった。


そして残ったのは誇りとこだわりを持って

ウィスキーを造り続けた2つの蒸留所だけ。



Springbankはそんな時代の流れに飲まれず、

ブランドを維持し続けた立派なモルトです。


経営学的に非常に深い話なのですが、

酒飲みには経営よりも味と香りです。



Springbank10年がバーボン樽を用い

男性的であるのに対して、

Springbank15年は、

シェリー酒の樽を用い

非常にマイルドで柔らかな舌触り。

女性のような優しさのあるモルトですが、

味が弱い訳では決してありません。

鼻へと抜ける香りも気品があり、

上質な時間を楽しむことが出来ます。

私はシェリーの香りをまとった

Springbank15年とのデートが好きです。


スコッチではなく、

キャンベルタウン・モルト。

決して有名ではないですが、

その名に誇りを持ち、

時代が質よりも大量生産へと傾いても

その流れに負けず麦芽作りから

樽詰めまで一貫して行う頑固さ。


その強さがかもし出す優しい味わいを

John Coltrane

Say it(over and over again)

などを聴きながら

是非ストレートで楽しんでみて下さい。