9.11で父親を失った少年の話


冒頭に入る主人公と父親の関係描写や9.11の悲劇の様子は
どうにも入り込めない
だって、9.11のあの日
わたしはあの事件の悲惨さが
まったく実感ができなかったから。

だけど、だんだんと
3.11のことと重ね合わせると
説明のつかない出来事で
愛する人を失った人の姿が見えて
アメリカ人の痛みが少しわかった

アスペルガー気味な少年の心理と
思考はまったくついていけないきがしたが
やはりだんだんと気持ちがわかる

雑踏の中の街並みがファインダーを通したように
焦点が歪んで、境界線が見えない
重力がつかめない
恐怖を抑えつけるために
タンバリンを鳴らして
ひとつづつ乗り越える

失った二度と取り戻せない
期待してた答えはなくとも
探さずにはいられない
愛してるの代わりに
納得いくまで答えのない旅を
無理して越えられない
避けていた辛いことをやってでも
失った人に会いたい

起こった悲劇を論理的に理解しようと試みるのに
少年が家族に感情まくしたててぶつける所や
理論値だけ数字にまとめて
他人の話はファインダー越しにみて理解できない顔してるのに
絵本作家のように調査ノートをまとめる
少年の矛盾が痛々しすぎて泣ける!

主人公の少年は
パニック障害気味のようだが
人が立ち直るのに必要なのは
お薬でもなく
結局は認知療法なのだと思う

自分を縛り付けてる原因はわかってる
誰かじゃない自分が
納得できる自分になるしかない
そして
そばにいてくれる家族の支え
でも救いをくれるのは、あまり親しくもない他人だったりする

I'll be OK

誰もが感動できる話ではないけど
大切な何かを失った経験がある人なら共感できるはず!
涙と鼻水と嗚咽が止まらない映画でした!