電光超特急ヒカリアン (小学館・東宝・東京キッズ) | 二次元と乗り物のブログ

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今回はヒカリアン。懐かしですね。


電光超特急ヒカリアン

ココが見所

オープニング

親子の会話が増えるパロティ



電光超特急ヒカリアンとは、2002年に日曜朝8時半(現在のネットゴーストPIPOPA)にて放送されていたアニメで、1990年代半ばにのりスタ内で放送されていた「超特急ヒカリアン」の現代版(当時としては)です。今からすれば500系新幹線が「のぞみ」なわけですから、少し前のアニメであることは明白。当時すでに700系は走っていたのですが、なぜ500系なのか・・・、まぁ、格好良かったからでしょうね。


このアニメが薦められる所は話の暴走具合がまぁまぁ見れるものであること。後の方のシリアスさはどうにかして欲しかったのですが、前中半は割と子供向けに作られていました。明らかに大人にしか分からないネタもありましたが、パロティをしまくるというのはそういうことです。逆に言えばファミリーアニメとして親と子の会話が増えるわけですからよりよい。今や親と子の会話が減ってきているというこの時代に必要不可欠なタイプのアニメという事になります。「この電車は何処走ってんの」、「これの元ネタは何なのさ」と気軽に話し合える。下手なディズニーや宮崎アニメよりマシ。それがテレビ東京系の日曜の朝でやっていたわけですから、本当にお得と言えました。


キャラクターはハッキリ言って前の方が良かったという人が居ますが、まぁ言えますね。先代「超特急ヒカリアン」のほとんど使いまわし。それに先代と違って登場するヒカリアンの元ネタの電車は明らかに売れる新幹線・特急電車に限定されていました。先代は「485系L特急」とか「583系L特急」、「山手線205系」とか「西武線」も出ていたそうですが、今回は新幹線以外で特急と呼べる電車は南海50000系(ラピート)くらい。基本的に先代で作りまくった新幹線ヒカリアンがほとんどそのまま出ていたのでツバサクロニクル以上に手抜き。それに最後の方ではあろうことか車が変形してヒカリアン、というのもありました。ヒカリアンとは「電車が変形してこそのヒカリアン」だったから斬新さがあったのに車が変形していては、トランスフォーマーそのものじゃないですか。それもその車がJRバスとかならともかくよく分からない作中の団体のトラック。人間キャラも今更このアニメでないと薦められないというキャラはいません。それならこういうのもいるけど、他のアニメにもね・・・というのばかりです。ネットゴーストPIPOPAにも実はいたり。電車のバライティが無かったのが最大の問題でした。


歌に関してはかなりいい曲を採用していました。オープニングは今でも口づさんでしまう程明るくノリのいい歌です。何せ「当時そのアニメを見ていた子供(?)が今でもたまに歌ったりするオープニング」なわけですから、悪い曲ではないはずです。エンディングもオチとノリが上手く融合した大変いい感じのもので、子供向けとして求められる一定のものは達成していました。でもキャラクター作りは微妙だった。


商売は超特急ヒカリアン時代と全く変わりないおもちゃを繰り出し、あまつさえ「昔の通りやっていればまぁまぁ出来るだろう」という感じがしますが、その割に昔よりはやる気は見えませんでした。プラレールとの互角性はあってもコラボレーションらしきことはかつてより消極的でした。このアニメが放送されていた2002年は鉄道おもちゃブームというのが起き、新時代の鉄道趣味業界が形成されていたのですが、そのとき放送されていたアニメとしては何も残していない。パッとしなかったわけです。


バンダイのBトレインショーティー、コナミのデジQトレイン、雑誌・鉄道おもちゃ創刊、プラレールの相次ぐグレードアップ。2002年という年は鉄道のサブカルチャーが大きく変貌を遂げていました。しかしヒカリアンはかつてより確実に魅力を落として登場し、消えていきました。子供たちが通勤・近郊型電車という実用的で身近な電車を求めていたのであれば、山手線すら出さなかったヒカリアンは不適切な車種選定をしていたのかもしれません。しかし今の時代に親子が何気ない会話を楽しめるアニメがたくさんあるのかと言うとまた疑問。また、N700系が出てきた今、ヒカリアンが時代の波に消えていくだけというのも惜しい。「鉄道車両が変身する、親子の会話が生まれるアニメ」として、全国の電車が平均的に登場するヒカリアンが出てくることに「のぞみ」を持ちたいものです。