朝(というか世の中的には昼近く)、宅急便で校正ゲラが届く。
ざっと初校の部分だけチェックして、それはしまう。

原稿のための資料読みと思索。ま、ぼんやりと。
なんかあんまり体調がよくないので、うつらうつらとしつつ。

夕方、四谷ひろばへ。
A社のo川さんから誘われて、鶴岡真弓さんの『阿修羅のジュエリー』出版記念イベントにゆく。
鶴岡さんとは某カルチャー勤務時代に講師と担当者の枠を超えて親しくさせていただいていた。わたしが会社をやめてからもそれなりに交流はあったのだが、なんとなく尻すぼみに連絡をとらなくなってしまっていた。
というわけで、久しぶりに鶴岡さんに会えるのがうれしくてほいほい出かけた。四谷ひろばなら庭みたいなもんだしね~。

……と、気楽に曙橋駅に到着。ちょうどo川さんからメールがあり、「いま曙橋。これから向かいます」と返信したのち、そもそも駅の出口を間違っていたことに気づく。考えてみたら、これまで「行き」はいつも四谷三丁目からで、「帰り」に2回ほど曙橋に行ったことがあるだけだった。「行き」と「帰り」は、道は違う顔をしているものです。このへんを左に曲がったはず……と坂をのぼりながら、「いや、階段があったはずだ。これはただの坂ではないか!」と気づく。慌てて戻ろうとしたら、その坂が「暗坂(くらやみざか)」という名であることを示す標識が! 嫌な予感。
で、元の道に戻って階段を探す。「おお、あった」と昇り始めた階段は鉄筋みたいな階段で、「え? 石段だったのでは?」と思うわたし。のぼりつめたらどちらさんかのお宅に辿り着きました(もっと早く気づきましょう)。
で、再び元の道に戻り、やっとのことで正解の石段を発見。o川さんから「大丈夫?」のメールあり。

なんとか開始までには間に合ったんだけど、汗だく、ぜーぜーでしたわ。

きょうの教訓。知っていると思う道ほど危ない。


肝心のシンポジウムは、前半は鶴岡さんの著書に関してのレクチャー。ケルトの研究家であった鶴岡さんがなにゆえ阿修羅? と不思議だったけれど、阿修羅のつけているジュエリー(アクセサリーというのは帽子や鞄など付属品のことをさし、ネックレスやブレスレットなどはジュエリーと呼ぶのが正しいと鶴岡さんは主張する)の素晴らしさを発見して、装飾的な視点から阿修羅を見ていることにとても納得した。
後半は鏡リュウジさんと中沢新一さんと三人でのパネルディスカッション(といっても討議はほとんどなかった)。マイクの音量が小さくて、特に鏡さんの声があまり聞こえなかったのが残念。
でも全体としてはなかなか面白かった。中沢さんの、インドの「おくりびと」の話やインディアンの「箱入り娘」の話も面白かった。
阿修羅展にはまだ行ってないので、行く前に『阿修羅のジュエリー』をちゃんと読もうっと。

終わって『阿修羅のジュエリー』を購入して、鶴岡さんにサインしてもらいつつご挨拶。再会を喜びあう。
そのあとの懇親会みたいなのにも少し顔を出して、祖父江慎さんのかわいいお話を聞いたりする。

そのあと、o川さんと四谷三丁目近くの豆腐料理屋で軽く飲みながらいろいろ深い話をする。
気がついたら結構いい時間で、あたふたと帰る。うっかりまた大手町で乗り換えのルートを選んでしまい、「だから大手町の三田線は遠いってこの間知ったばかりでしょ」と自分をののしりながら歩く。終電いっこ前だったし。無駄に歩いた一日だったことよ。