年間80円の出費って、高いですか?
(2008.12.22昼過ぎ追記(最下部))
→気象衛星の予算、まだ別の枠で残っているようです!
気象庁に問い合わせたところ、一部新しいことが分かりましたので、
内容を削除・修正します。(赤文字の部分)
前回の記事では、宇宙ステーションが肉眼で見える、という話をしました。
僕もいつか宇宙から地球を眺めて、雲を見てみたいと思っています。
高さ1万メートル程度(=10km)からでも雲を見下ろすと、
その美しさや、地形との関係、気圧配置との関係など、
いろいろと考えがつきません。飛行機は専ら窓際席です。
(写真は、昨年撮った、♪頭を雲の上に出し~、の富士山です)
飛行機よりもっともっと高いところ、
高度約35,800kmから地球を見続けているのが、
ご存知「気象衛星ひまわり」
日本でいちばん有名な人工衛星って、きっと「ひまわり」でしょう。
…でも、この「ひまわり」がいま、最大のピンチに立たされています…!
☆ ☆ ☆
きのう土曜日(20日)、来年度の気象庁の予算の内示が発表されました。
気象庁も官庁であるので、夏ごろに「来年はこんな予算が欲しい!」という要求を立て(概算要求)、
年末に「いろいろ意見は聞きましたが、こんなんで行きます」と、
予算を出す財務省から「内示」されます。(で、24日の閣議で決定されます)
中学校や高校で、部活動の費用を生徒会費から出してもらうのに、
生徒会役員と予算折衝したことがある、という人も多いでしょう。
乱暴な言い方ですが、大枠ではアレと同じで、各省庁が、限りある税金から予算を獲得すべく、
財務省と折衝して、年末に翌年度の予算が決まる、わけです。
…で、話を元に戻すと、その来年度(平成21年度)の予算がきのう内示されました。
気象庁発表資料:
21年度予算内示: http://www.jma.go.jp/jma/press/0812/20a/21yosan081220.html
21年度概算要求: http://www.jma.go.jp/jma/press/0808/27a/21yosan.html
☆ ☆ ☆
気象衛星「ひまわり」は、いまは6号が運用中。
そして後続の7号も宇宙にもう飛んで準備されていて、
寿命が来る(予定の)平成27年までは問題ありません。
しかし、困っているのはそのあと。
8号を飛ばすとなると、設計や製作や打ち上げ、試験運用を考えると、
来年には準備に入らないとまったく間に合わない、という状況になってきています。
いまの「ひまわり」は、正式名称は「運輸多目的衛星」と言って、
航空管制機能と気象観測機能と、2つの目的がある衛星です(=運輸の多目的)。
気象庁単独で衛星を打ち上げる予算がなくて、国土交通省航空局と共同で運用して、
航空局に予算をだいぶ負担してもらっていたのですが、次の衛星ですが、
航空局がいっしょに衛星を打ち上げてくれない(予算を持ってくれない)ことになりました。
かといって、気象衛星を飛ばさないわけにはいかないので、
「静止地球環境観測衛星」という名前で、「環境」の名のもとに予算をつけようと頑張っていたのです。
今回の内示ではこの部分が掲載されていなくなっていますが、
内閣府の来年度の「重要課題推進枠」の中で、この予算が現在検討されているようです。
気象衛星をバックアップも含めた2機体制で飛ばして運用するのには、
報道によれば約800億円かかるとのこと。
10年間の費用だから、1年当たり・国民1人当たりおよそ80円の計算になります。
何兆円規模の「定額給付金」はすぐに出るのに、
「ひまわり」の費用はなかなか出ない状況にどうなのかな、と思いますが…。
この予算、24日に最終決定されますが果たしてどうなることか、要注目です。
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>みなさま
ごめんなさい、とてもみなさんのコメントに返事できる気分ではないのです…。
また次の記事でまとめてお返事しますね。どうぞご容赦のほどを…!
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